
犬のあざについて
ペットに最適なフードを見つけましょう。
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一般的に、あざというのは皮膚の表面ではなく下の層に出血が起こることで、皮膚の色が赤く、あるいは紫色に見えたりします。人の場合だと、どこかにぶつけたりしてあざができることはそんなに珍しいことではありませんが、犬ではどうでしょうか。実際のところ、犬は被毛で覆われているので、打撲してもわかりやすくあざができることはあまりありません。そのため、もし犬にあざ(内出血)があることに気づいたら、それは動物病院に行くべきサインです。
犬のあざ:何らかの異常を疑うサイン
Pet Health Network によると、通常の生活環境の中で犬にあざができることは珍しいため、交通事故や落下事故、あるいは薬物(アスピリンや殺鼠剤など)の摂取の後にあざができている場合には、内臓を損傷しているか、あるいはどこか内出血しているサインの可能性があります。足をひきずる、体の特定部位を過度に舐める、全体的に元気がないなど、あざがひかずに残っている、つまり異常な状態が続いていることを裏付けるそのほかの症状にも注意する必要があります。
特別そのような事故などの思い当たることがないにもかかわらず、あざを見つけた場合には、それは何らかの病気のサインかもしれません。獣医師はその原因を見つけるために、必要な検査を行います。また、それが内出血なのか、それともアレルギー反応のような皮膚の炎症による赤みなのかどうかも併せて確認します。
あざから疑われる病気
犬にあざがあった場合にまず疑われるのは、血管や血小板に何らかの異常が生じている可能性があるということです。外傷や何らかの原因で血管が傷害され内出血している、あるいは血小板が減ってしまっていたり、血小板はあるのにうまくその働きができなくなっているなどです。そしてこのような状態のときには、出血しやすく血が止まりにくいといった症状が見られることもあります。人でも存在する次の2つの先天性疾患は、あざを引き起こすことがあります。
- フォン・ヴィレブランド病: フォンヴィレブランドとは、血液中に存在する因子の名称で、血小板が正常に機能するために必要な因子です。フォン・ヴィレブランド病では、この因子の異常によって血小板がうまく働かず、血が止まりにくい、いわゆる血液凝固障害が起こります。Pet Health Network は、この病気は遺伝性の疾患で、特定の品種、たとえばジャーマン・シェパード、ドーベルマン・ピンシャー、スコティッシュ・テリア、シェットランド・シープドッグ、ジャーマン・ショートヘアド・ポインターなどに比較的多く見られる、と紹介しています。
- 血友病も血液凝固に影響を及ぼす疾患ですが、厳密にいうと血小板が関連した止血機構(一次止血)のあとに起こる、二次止血において必要な因子の先天的な欠乏による出血性の疾患です。血友病は性染色体により遺伝し、通常オスで発症します。コーネル大学獣医学部 によると、血友病の犬は、関節内や筋肉内に自然に出血が起こってしまうためにその部分の腫脹や跛行の症状を示したり、胸部や腹腔などの体腔への重度な出血、あるいは皮下に出血し、血種と呼ばれる腫れが生じるなどの症状が見られる。と説明しています。
そのほかに疑われる原因
Pet Health Networkは、あざについていくつかの「後天性」の原因についても紹介しています。後天性の原因とは、その病気が、犬が生まれながらにして持っていたものではなく、生まれた後に発生したものであることを意味します。犬のあざの一般的な後天性の原因は次の4つです。
- 免疫介在性血小板減少症: 自身の免疫系が、血液凝固を担う血小板を破壊してしまい、血小板の減少をもたらす疾患。
- マダニによって媒介される感染症:マダニ によって、血小板やそのほかの血液細胞を冒す病原体が犬にうつされることがあります。このような病気にはエールリヒア(エーリキア)症やロッキー山紅斑熱、アナプラズマ症が含まれ、これらはいずれもあざを引き起こすことがあります。
- 肝不全またはがんなどによって血小板の代謝の問題がおき、あざができやすくなったり、出血しやすくなったりすることがあります。
- 薬物の摂取: 殺鼠剤などの薬物の一部には、血液凝固を阻害し、出血しやすい状態を引き起こす作用をもつものがあります。
あざの治療
それぞれの原因に応じて、適切な治療がなされます。一般的に、免疫が関連していれば免疫抑制剤、細菌感染症であれば抗生物質などの治療が行われますし、状況に応じて全血および血漿の輸血からビタミンの補充、対症療法としての支持的なケアまで、治療は多岐にわたります。また、マダニに対しては日頃から定期的に駆除薬を投与することが推奨されます。
犬にあざがあることを見つけたら、決して様子を見ることをせず、すぐに動物病院に行ったほうがいいことをご理解いただけたでしょうか。どんな問題にしても、発見が早ければ早いほど治療を早く始めることができ、それだけ早く回復する可能性も高まります。日々の健康チェックもまめに行いましょう。
Contributor Bio

カーラ・マーフィー
ペンシルベニア州エリー在住のフリーライター。ゴールデンドゥードゥルのマディーと暮らしています。