犬の悲しげな表情のわけとは？

ペットに最適なフードを見つけましょう。

言うまでもなく、愛犬と家族の関係はこの上なく特別なものです。ペットは喜びや癒やしをもたらしてくれ、悲しいときやつらいときに寄り添ってくれる大切な家族になります。犬は自分の気持ちを分かってくれる、と感じている飼い主さんも多いことでしょう。飼い主さん側も犬に対して同じように愛情をそそぎ、幸せに過ごさせてあげたいと思っていると思います。だからこそ、愛犬に大きな瞳で悲しげに見上げられると、なんともいえない切ない気持ちになったりしませんか？

犬が悲しそうな表情をするとき

犬が本当に悲しんでいる？単なる私たちの思い込み？それとも顔の表情筋の進化？……と、つい考えてしまう人は多いはず。愛犬が幸せに暮らせるようにしてあげたいと思うあまり、悲しげな表情を浮かべていたら「体調が悪いのではないか」「何か怖いことがあるのかもしれない」と急に心配になってしまいますよね。

何より、愛犬の悲しげな様子が健康上の問題なのか、感情の表れなのかをわかるようになりたいと思いませんか。是非最後まで読んで答えを知る手がかりを見つけてください！

犬が悲しそうに見える理由

"研究者たちは、犬がいわゆる「悲しげな子犬の目」をする原因を解明しようと努めています。Scientific Reports に発表された研究では、犬が人の注目に応じて顔の表情を変えることが判明しました。

［研究の内容］

さまざまな年齢と品種の家庭犬24頭を対象に、（1）人の注目と食べ物の両方あり、（2）食べ物なしの人の注目だけ、（3）人の注目なしの食べ物だけ、（4）人の注目も食べ物もなし、という4つのパターンに対する犬の反応を観察しました。

その結果、人が犬に注目したときに犬の表情がより豊かになることが明らかになりました。眉の内側上げて八の字にする傾向があり、表情を悲しげに、より子どもっぽく見せるのです。食べ物は犬の表情に影響を与えませんでした。"

米国科学アカデミー紀要に発表された別の研究では、犬のさまざまな表情の理由や原因がさらに深く掘り下げられています。その研究の著者らは、オオカミから現在の愛らしい犬への3万3000年に及ぶ進化の過程で、犬は「悲しげな子犬の目」を作り出せる強力な眉の筋肉を発達させてきた、という仮説を立てました。人がその表情を好むことに応えたものだろう、と著者らは主張しています。

愛犬が悲しそうな表情を浮かべ、何かを求めるように上目遣いをしていても、実は悲しいわけではないかもしれないことが分かれば、むやみに心配しなくてすみます。きっと飼い主さんにかまってほしくて注意を引いているだけなのでしょう。

ターコイズブルーの目を持つ悲しい茶色と白の犬が見上げます。

犬も、うつ状態になることがある

悲しげな表情と悲しい感情とが直接関係ないとしても、悲しい気持ちになったり、意欲が低下したりする「うつ」という症状が人間にあるように、犬のうつも実際にあります。犬のうつの症状は人と似ています。主に見られる症状を知っておきましょう。

食欲が低下する。
過度に舐める（特に足）。
散歩や遊びなど、以前は大好きだった活動に興味を示さなくなる。
眠りが浅くなったり睡眠パターンが乱れたりする。
あなたや別の家族に過度に付きまとう。
突然破壊的な行動をとる。
家の中で粗相をする。

こういった症状は、犬が痛みを感じている、健康に問題を抱えている、または深い悲しみを感じているときにも現れることがあります。これらの症状が続いていることに気づいたら、早めに獣医師に相談してください。痛みやストレス、病気があるかどうかを見極め、元の幸せな状態に戻れるように必要な治療やアドバイスをしてくれるでしょう。

アメリカンケネルクラブは、犬も実際にグリーフ（喪失体験に伴うさみしく思う気持ちや悲しみなどの感情）などの精神的な苦痛を感じている、と言います。そして犬は人の感情も感知することもできます。もしかしたら愛犬の悲しみは、家族の感情を反映しているのかもしれません。ペットが誰かの悲しみを察知している場合は、その人自身のケアが必要な状況なのかもしれません。ペットにできるかぎりのベストなケアを提供するためには、一緒に暮らす家族自身のケアも大切であることを忘れないようにしましょう。

犬は、同居していたペットや家族がいなくなったり、家庭や生活環境に大きな変化があったりした場合にも、うつ状態になることがあります。仕事や家事で忙しくて愛犬と遊ぶ時間が少なくなっていたとしたら、無視されているように感じているかもしれません。たとえば、新しく人やペットが家族に加わった場合は、先住のペットが嫉妬する可能性も考えられます。一方で、うつのように見える場合の理由はさまざまな可能性があり、単に退屈なだけ、ということもあります。