猫を動物病院にスムーズに連れて行く方法

編集責任者：長尾麻矢

Tips for better feline vet visit
動物病院に限らずですが、多くの猫は知らない場所やもの、人は苦手で、自分のテリトリー以外では不安や緊張によってストレスを感じます。室内で暮らしている猫ちゃんにとって、家の外に出るのは動物病院のときぐらい・・・、というケースも多いかもしれませんね。猫ちゃんのために、という思いで定期検診を希望する飼い主さんも多いと思いますが、猫が嫌がるので、という理由でなかなか頻繁には行かれない、といったこともあるでしょう。若いうちは、そこまで動物病院にお世話になることはないかもしれませんが、やはり高齢になってくると通院するような機会が増える可能性もあります。無理やりではなく、猫ちゃんに納得して通院してもらうことは、猫ちゃんの精神的な健康を考える上で、特に高齢の場合で重要になります。よりスムーズに猫を動物病院に連れていくための準備やコツについてご紹介します。

キャリーケースを使う

猫の安全を考慮して、かならずキャリーケースかその代わりになる入れ物を使いましょう。どんなにお家でおとなしくても、知らない場所では突然パニックになり豹変することも猫では珍しいことではありません。
今までの経験から学習してしまい、猫がどうしてもキャリーケースに入るのを嫌がったり、どこかに逃げてしまったりすることはよくあることです。とにかく慣れてもらうことが大事ですから、日常の生活空間に何気なくキャリーケースを置いてみましょう。中におやつやお気に入りのおもちゃ、ブランケットを入れて、猫にとって心地よい入りやすい雰囲気を作ります。そして、いったん中に入ったらそのまま中に居てもらってください。
さまざまなタイプのキャリーケースがありますが、できれば上部が開くキャリーケースのほうが、中から抱き上げやすいため猫にはストレスになりにくいですし、動物病院でも診察しやすいでしょう。場合によっては、中に入ったままで診察してくれるケースもあります。

車での移動時のコツ

車に乗せるのが動物病院の受診時だけにならないように、まずはキャリーケースに入れて車に乗せるだけから始めてみましょう。慣れてきたら定期的にドライブし、車の揺れや車内の環境に慣れてもらいましょう。
車移動の際には猫が乗り物酔いしないように、少なくとも車に乗せる1時間前から食べ物を与えないようにしましょう。

動物病院に着いたら

待合室ではできるだけ他の動物と接触しないようにし、動物や人間の姿が見えないよう、キャリーケースに布をかけたりなどの工夫をしましょう。順番が来るまで車の中で待たせてもらえるか確認してもよいでしょう。
猫を驚かせないように、ゆっくりした動作で、常に穏やかな声で話すようにしましょう。
獣医師が猫を診察する際には静かに見守るようにします。飼い主さんの態度によっては猫の不安をあおり、パニックを起こし暴れてしまうこともあります。
猫ちゃんと飼い主さんの両方がリラックスして受診できる方法がないか、獣医師に相談してみましょう。