猫にアロマは危険?

執筆: クリスティーン・オブライエン
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ペットに最適なフードを見つけましょう。

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植物から抽出した香り成分によって、美容や心身の健康に役立てていくアロマテラピーは、今や私たちの生活の様々なシーンに活用されています。この香り成分はエッセンシャルオイル(精油)と呼ばれ、スキンケアやヘアケア製品からお掃除グッズ、ひいては医療用まで、あらゆるものに利用されています。人間にとってはとっても有益なエッセンシャルオイルですが、では猫にはどうなのでしょうか。

猫の飼い主として知っておきたいエッセンシャルオイルについてご紹介します。

エッセンシャルオイルとは?

エッセンシャルオイルは、バラやフランキンセンス(乳香)などの芳香や薬効で知られる植物の花や葉、茎などから抽出された、100%天然の植物由来のオイルです。アロマテラピーでは、一般的にこれらのオイルを拡散させたものを吸入したり、塗ってマッサージしたりして用いられます。統合医療プログラム責任者のハープリート・グジュラール氏はジョンズ・ホプキンズ大学医学部のHealthページで、「吸入すると、エッセンシャルオイル中の芳香分子が嗅神経から脳に直接届いて、特に脳の感情中枢である扁桃体に影響する」と説明しています。扁桃体は嗅覚刺激に反応します。たとえば、ペパーミントの香りを嗅ぐとなんとなくすっきりして元気になることってありませんか。それがアロマテラピーです。

お部屋を確認してみてください!

エッセンシャルオイルは、健康志向の高まりやネットショッピングの普及により、以前よりもより入手しやすくなりました。周囲を見渡してみると、普段使っている様々な製品にエッセンシャルオイルが使われていることにお気づきになるのではないでしょうか。掃除用のスプレーや手指の消毒液、芳香剤、洗濯用柔軟剤、スキンケア製品など、実にいろいろな製品に利用されています。

では、これらのエッセンシャルオイルと猫とはどんな関係があるのでしょうか。結論からいうと、猫に安全な環境を整えるためには、エッセンシャルオイル(希釈されたアロマオイルも含めて)と猫とはできるだけ接触しないように注意したほうがよいということです。

ネコに有毒なエッセンシャルオイル

エッセンシャルオイルの元になる植物には多くの種類があり、そのすべてについて猫に対してどのような影響があるかが確認されているわけではありません。すべての植物が猫に危険というわけではありませんが、猫は人間や犬よりも物質を体内で代謝(無害なものにして排泄)する機能が劣っているため、ごくごく一般的な室内用の鉢植えの植物でも猫に有害なものがあることはよく知られています。一般的にエッセンシャルオイルは植物を高濃度に濃縮したものなので、植物の種類や濃度によっては、たとえほんの少量であっても、猫に危険なものがあります。カナダ獣医師会(CVMA) によると、ごく一部ですが、以下のものが猫に有毒なエッセンシャルオイルとして紹介されています。

  • ベルガモット
  • シナモン
  • クローブ
  • ユーカリ
  • ヨーロピアンペニーロイヤル
  • ゼラニウム
  • ラベンダー
  • レモン、ライム、オレンジ
  • レモングラス
  • ローズ
  • ローズマリー
  • サンダルウッド
  • ティーツリー
  • タイム
  • ウィンターグリーン、ペパーミント、スペアミント、ミント
  • イランイラン

これらは、エッセンシャルオイルとして購入されるものに加えて、塗料用シンナー(テレピン油はエッセンシャルオイル)や虫よけなどの家庭用品にも使われていることが多く、猫に致命的な症状を引き起こす危険性が高い、とCVMAは指摘しています。

ティーツリーオイル:特に注意が必要です

Tufts Nowは、「ティーツリーの成分は肝臓で代謝されますが、猫にはこの成分を代謝するための肝酵素を十分に作ることができず、うまく代謝することができないため、中毒を起こしてしまいます。そのため、ティーツリーは猫には非常に危険で、注意しなければなりません。」と注意を促しています。犬では治療の一環としてティーツリーオイルが使用される場合がありますが、猫が同居している場合には必ず事前に獣医師に相談するようにしてください。

猫に安全なエッセンシャルオイルってあるの?

この答えについてはまだまだ分かっていないことも多く、はっきりとした答えは出せないようですが、どれも猫に有毒である可能性を考慮しておく必要はありそうです。アメリカ動物虐待防止協会(ASPCAは、「純度が100%に濃縮されたエッセンシャルオイルは、ペットには絶対に危険だと言えます」と指摘しています。これは、直接舐めることに加えて、オイルが皮膚や被毛、あるいは足に付くといった状況も含まれます。

猫がエッセンシャルオイルを直接舐める、あるいは皮膚に直接触れることが非常に危険であることはご理解いただけたかと思います。では、ディフューザーやランプを使用するのはどうなのでしょうか。現時点でこういった使い方で中毒を起こす可能性は低いようですが、それでもまだまだわかっていないことも多いので、リスクがあることは避けたほうがよいでしょう。CatHealth.com では、どうしても使用するのであれば、猫のいる部屋では使用しない、ディフューザーとそのコードのある場所から猫が十分に離れられるスペースを確保して、猫が近づけないようにすることを推奨しています。(拡散したオイルの飛沫が猫の被毛に付くと、毛づくろいの時に摂取してしまう可能性があることに注意してください)。猫は高い場所に乗るのが大得意で、さらに小さなスペースにも上手に入り込みますから、エッセンシャルオイルを保管する際には細心の注意を払って、絶対に猫とエッセンシャルオイルが接触しないようにしましょう。

獣医師に相談しましょう!

ペット中毒ヘルプラインの報告によると、エッセンシャルオイルの中毒症状には、呼吸困難、咳、喘鳴、よだれ、嘔吐、震え、ふらつき、心拍低下などが含まれています。もしお家の猫ちゃんがエッセンシャルオイルを摂取したかもしれないと疑われるときは、直ちにかかりつけ獣医師または救急動物病院に連絡してください。その際には、原因として思い当たるエッセンシャルオイルについて獣医師に伝えましょう。

猫のために何かしてあげたいという気持ちは飼い主として当然のことですが、必ず事前に獣医師に相談するようにしてください。人と猫では生理的な機能が全く異なることを常に心に留めておくようにしましょう。

Contributor Bio

クリスティンオブライエン

クリスティーン・オブライエン

クリスティーン・オブライエンは、ライターであり母であり、家の中を取り仕切るロシアン・ブルー2頭と暮らす長年の愛猫家でもあります。Care.com、What to Expect、Fit Pregnancyでも、ペット、妊娠そして家庭生活について記事を書いています。InstagramとTwitter(@brovelliobrien)でも彼女をフォローすることができます。

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