気をつけたい猫の皮膚トラブル

執筆: エリン・オリラ
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気づくと、あちこちをペロペロしたり、カクカクと噛んでみたり・・・、猫が熱心に毛繕いしている姿は、なんだか可愛くて見入ってしまいますよね。でも、猫には普段からこういった毛繕い行動があることによって、皮膚に何らかのトラブルがあっても周囲がなかなか気づきにくいという側面もあります。あまりにも搔きむしって傷がついている、脱毛して剥げてしまっている、など明らかな病変ができてはじめて気づくということも多いかもしれません。

皮膚トラブルにいち早く気づくには

猫の皮膚トラブルに気づくためには、猫を日頃からよく観察することと、撫でるときにも何か異常がないかを考えながら、健康チェックを兼ねているという意識をもつことです。健康な猫の被毛は、特に汚れが目立つということはなく、フワフワとしています。また、被毛の下の皮膚も、通常は触ったときに滑らかで、ブツブツしたりかさぶたがあったり、赤みやしこりがあることはありません。触ったときに何らかの違和感を感じたら、被毛をかき分けて、その下の皮膚をよく見てみましょう。赤みやブツブツ、かさぶた、ただれ、うろこ状に皮膚が厚くなっている、脱毛などが見られたら、それは皮膚のトラブルの可能性があります。いつもより異常に掻いている、しきりに気にして舐めているなどの行動の変化や、皮膚のにおいの変化にも併せて注意しましょう。

それでは、猫の皮膚病にはどんなものがあるのでしょうか。猫の代表的な皮膚トラブルをご紹介します。

感染症が原因の皮膚病

皮膚糸状菌症は、カビの一種である糸状菌が原因である猫の代表的な皮膚感染症です。子猫やシニア猫、別の疾患を持っている猫など、免疫の働きが十分ではない場合にかかりやすい皮膚トラブルです。一般的に、痒みは無いか軽度ですが、フケを伴う脱毛が頭部や四肢に見られます。また、感染しても全く症状がないまま経過する場合も多く、他の動物へ感染を広げてしまう可能性もあります。人に感染することもあるので、公衆衛生上の観点からも治療はしっかりと行う必要があります。

感染症には、糸状菌(真菌)のほか、細菌や寄生虫によるものも含まれます。猫に寄生して皮膚炎を起こす寄生虫には、ある種のダニやシラミなどがありますが、もっともよく知られているのはノミによるものでしょう。ノミはノミそのものの寄生によって起こる皮膚炎のほか、ノミの唾液にアレルギー反応をこすノミアレルギー性皮膚炎があり、この場合には一般的に強い痒みを引き起こします。猫が屋外に出なくても、人が外を出歩いたときに靴や衣服にくっついてノミを家に持ち込んでしまうことがあります。さらに、ノミは皮膚炎を起こすことのほかに、他の感染症の仲介役にもなることがあるため、定期的な駆除薬の投与が勧められます。獣医師に相談して、猫に効果のある安心して使用できる薬剤を選択するようにしましょう。

アレルギー性皮膚炎

猫にアレルギー性の皮膚炎を起こす主な原因には、前述のノミに加えて、食物や環境中の物質、薬剤などがあります。

  • 食物アレルギー:食物アレルギーは、特定の食物に対してアレルギー反応を起こし、皮膚炎や、嘔吐や下痢など消化器の症状を起こすこともあります。食物アレルギーが疑われる場合は、疑われる食物が含まれない食事を与えて反応を見る除去食試験によって、診断されます。
  • 環境中のアレルギ―源となる物質に対するアレルギー:花粉や、カビ、ハウスダストといった物質は環境中のアレルゲン物質として知られています。しかしながら、猫の皮膚炎は原因に関わらずに非常によく似た症状や病変になるため、感染症などの他の可能性を除外し、様々な診断的アプローチを経たうえで、このようなアレルギー性皮膚炎と判断されます。環境中の何らかのアレルギーが疑われる場合には、できる限りこまめに掃除し清潔を保つように心がけましょう。
  • 薬剤:稀なことではありますが、もし何らかの投薬治療を受けているなら、その薬剤の影響で皮膚トラブルが起きている可能性も考えられます。気になることがあれば、必ず獣医師に連絡しましょう。

飼い主にできること

繰り返しにはなりますが、飼い主にできることは、まずは日頃から猫の様子をよく観察し、いち早く様子の変化に気づくことでしょう。そして、動物病院を受診することです。猫の皮膚トラブルでは似たような皮膚病変になることも多く、複数回の検査や診断アプローチが必要な事もあります。原因が複数隠れていることもあるため、根気強い治療が必要になる場合もあります。獣医師から指示された薬剤の服用は必ず守り、勝手にやめないようにしましょう。薬を飲ませるにあたって、不安や気になることがあれば、都度獣医師に相談しましょう。

いかがでしたか。
猫の皮膚トラブルは、人間やほかの動物にもうつる可能性があるものも多いため、個々の治療をすることだけではなく、公衆衛生上の意味でもきちんと管理することが大切です。猫の毛繕いという性質から、猫の皮膚トラブルはわかりづらいこともありますが、普段からスキンシップを兼ねた皮膚チェックを行って、早期発見、早期治療を心がけましょう!

筆者紹介

エリン・オリラ

エリン・オリラ

メッセージが持つ言葉の力は受け手に伝わり、時に大きな変化をもたらしうると信じるライター。インターネット、出版物と活動の場は広く、執筆内容はインタビュー、代筆、ブログ、独創的なノンフィクションなど、多岐にわたります。SEO(検索エンジン最適化)、ソーシャルメディア全般にも詳しく、フェアフィールド大学でクリエイティブ・ライティングのMFA(美術学修士)を取得しています。ツイッターは@ReinventingErin。さらに詳しい情報は彼女のホームページ、http://erinollila.comで入手可能です。

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