子犬のリードトレーニングの方法

執筆: カーラ・マーフィー
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ペットに最適なフードを見つけましょう。

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子犬をリードにつないで散歩できるようにトレーニングができていますか。もしかして、子犬に振り回されるトレーニングになっていませんか。

リードトレーニングはコツが必要なこともありますが、飼い主と子犬が散歩や旅行を一緒に楽しむためには必要なスキルです。子犬を家に連れ帰ってきたら、散歩デビューがまだ先のことだとしてもすぐに練習を始めたほうが早く覚えてくれます。

子犬のリードトレーニングの方法

  • 首輪とリードに慣れさせる:子犬を散歩に連れ出そうとする前に、まず家の中で首輪とリードに慣れさせましょう。首輪にリードをつけた状態で子犬に装着し、引きずらせたまま自由にさせておきます。まずは子犬が首輪やリードを嫌がらず、落ち着いていられるように慣れてもらう必要があります。
  • 身近な場所で短時間のトレーニングを行う:子犬の注意力は長続きしないので、散歩のトレーニングに長時間意識をむけ続けてくれることを期待してはいけません。最初はすでに知っている場所(家の周囲や庭など)をちょっと歩き回ることから始めましょう。最初から犬にとって初めての場所に連れ出した場合、初めて嗅ぐにおいにワクワクを抑えられず興奮したり、ウロウロして散歩のトレーニングができなかったりすることがあります。
  • 良い行動をほめる: 子犬がリードをたるませて飼い主の横に付いて歩いてくれたら(ヒール[ついて]の指示に従ってくれたら)、たっぷりとほめて、とっておきのおやつのごほうびを与えてくださいね。決して無理にリードを引っ張ってはいけません。子犬が動こうとしないときにリードを引くと、怪我をさせてしまうおそれがあります(大型犬の場合、逆に飼い主が怪我をします)。それよりも、散歩を続けようと子犬に呼びかけたときに動いてくれたらごほうびを与える、という練習を続けましょう。特に興奮レベルが高くいろいろなものに興味を示す子犬の場合には、周囲のさまざまなにおいから飼い主へ注目を引き戻すため、とっておきの魅力的なごほうびを探すことが必要になるでしょう。
  • リードを短く持つ: これは周囲には犬が可哀そうなように見えるかもしれませんが、リードトレーニングを成功させるためにはリードを短く持つことが重要なポイント。子犬が横から離れてウロウロできる余地が少ないほど、ヒール(ついて)の指示を覚えやすくなります。子犬が散歩のルールを理解し始めたら、リードを少し長めに持って緩めた状態でも横について歩く練習に移りましょう。
  • 飼い主の横を歩かせる: リードを短く持った状態で子犬を飼い主の横について歩かせるようにすれば、犬の進む方向をコントロールすることができます。散歩中に前や後ろを歩くことを許すと、犬はウロウロとあらゆる方向ににおいを嗅ごうとすることがあります。また、除草剤が撒かれていたり拾い食いしそうな物が落ちていたりする危険な場所もあるので、子犬のうちに飼い主の指示できちんと横につかせるようにトレーニングをしましょう。犬の足もとでリードが絡まってしまうのを防ぐこともできます。飼い主がトレーニングでリーダーシップを発揮できれば、犬はリードを少し長めにしても歩調を合わせるようになり、ウォーキングにぴったりのパートナーになってくれることでしょう。
  • 排泄の時間を与える: 室内でのトイレトレーニングを行なっていたとしても、散歩で体を動かせば生理現象で排泄したくなります。しかも犬は生まれつき縄張りにマーキングすることが好きなので、最適な場所を探そうとあたりを嗅ぎ回りたがるかもしれません。犬が尿意や便意をもよおしたことに気づいたら、歩くのをやめてリードを伸ばし、犬が適切な場所を探して用を足すのを待ってあげるといいでしょう。排泄が終わったら、必ずほめ言葉かトリーツのごほうびを与えるようにしてください(つまり、これはトイレトレーニングの機会にもなるのです)。ただし、犬は1回で膀胱を空にするとは限らず、何度もマーキングを含む排尿をすることがあります。そのたびにほめていると、犬は何度も排尿することはいいことだと理解し始めてしまいます。排泄をほめるのは最初の1回だけにすることが重要です。排泄の機会が1回だけしかないことを理解したら、犬はもっと上手に散歩できるようになるはずです。なお、排泄物はかならず適切に片付け持ち帰ること、排尿についても、排泄させる場所や臭気に対して水をかけるなどの配慮をするようにしましょう。
  • ペースを見つける: 犬は生来好奇心旺盛なので、散歩の途中で見つけた物に向かって駆け出したり、お気に入りの場所に居座ったりしたがることがあります。飼い主と愛犬にとって互いに快適な散歩のペースをつかむことが重要です。犬に引っ張られたり、歩調が合わなかったりすると、人も犬も怪我をするおそれがあるので要注意。もし一定のペースを保つのが難しいときは、一度立ち止まって愛犬が横に戻ってくるのを待ち、それから再び快適なペースを探りながら歩き出しましょう。

コツをつかめば簡単そうだと思うかもしれません。でも飼い主が知っておくべきことはまだあります。

適切な首輪またはハーネスとリードを選ぶ赤い鎖の黒と白のボーダーコリーは、フィールドに横たわっています。

販売されている首輪、ハーネス、リードは多種多様です。愛犬のリードトレーニングに適したものを選ぶにはどうすればいいのでしょうか。

首輪は最も一般的な選択肢で、あまり引っ張り癖のない犬に向いています。ハーネスは近年人気が高まっていて、犬が引っ張っても首や気道を傷つけることがないので、犬のリードトレーニングにうってつけのツールだと考えるドッグトレーナーもいます。ハーネスはリードを首ではなく背中に付けるので、散歩中にリードが犬の前に回ったり、足もとで絡まったりすることも少なくなります。

首輪とリードが一体になった特殊なスリップリードは、リードを軽く引くだけで犬に指示が伝わるので、ドッグトレーナーのようなプロが使えば一般的なリードよりもコントロールしやすいといわれています。子犬にヒール(ついて)を練習するときには好んで使用するドッグトレーナーもいるほど。ただし、誤った使い方では犬の首を絞めてしまうので、事前にプロから使用方法を学びましょう。よく引っ張る犬に首輪やスリップリードを使うとけがや窒息のおそれがあるため、ハーネスやヘッドホルターの方が合っています。

リードには平ひもタイプ、丸ひも(ロープ)タイプ、巻き取りタイプ、長さ調節タイプなど、驚くほどたくさんの種類があります。リードも必ず愛犬に合ったものを選ぶようにしてください。小型犬に太すぎるリードを使えば重量負荷をかけることになりますし、活発な犬に細すぎるリードをつければ急に走り出したときに破損してしまうかも可能性も。いずれにしても、適切なリードが子犬のリードトレーニングで大きな役割を果たすことは間違いありません。

好ましくない行動をやめさせる

犬は散歩中にあらゆる悪い癖をやらかしてくれます。一番多いのは引っ張ることです。リードにゆとりがあればあるほど、犬は引っ張っても許されていると考えてますます自由気ままに進みます。犬が引っ張ったときは、リードの緩みを少なくしてください。それに加えて、犬が引っ張ったらただちに歩くのをやめ、「あっ」とか「ゆっくり」といった言葉で犬の気を引いてみましょう。そして、リードが緩むのを待ってから前に進みます。他の練習と同じように、リードトレーニングでも犬が望ましい行動をしたときには、ほめてトリーツを与える陽性強化を心がけてください。

他の犬、見知らぬ人、野生動物など、犬が発見した何かに気を取られて引っ張っているときは、別の方向に歩くか、その対象が通りすぎるまで待つのがおそらく一番いいでしょう。繰り返しになりますが、誤った方法で犬を傷つけることはもちろん、リードを引っ張ってもいいと思わせることは避けなければいけません。犬に好きなだけ引っ張ることを許したり、犬のペースに合わせて速く歩いたりするのは、「早く目的にたどり着くためにスピードを上げよう!」と教えているようなもの。最初はのんびりしていた散歩が、やがて全力疾走になってしまうかもしれません。

複数頭での散歩

犬のトレーニングの専門家であるミッチェル・ブレイク氏は、複数の犬を飼っている場合でも、リードトレーニング中の子犬は1頭だけで散歩させた方がいいでしょう、とアニマル・ウェルネス誌に語っています。複数の犬を一緒に散歩させると、犬の注意が散漫になりますし、飼い主の目が届かず危険に遭う可能性もあります。子犬の性格や気持ちがよくわかるようになって、トレーニングも十分に進んだと確信できるまでは、1頭だけで散歩させたほうが安心です。そうして複数頭での散歩の準備が整ったと思えたら、複数の犬を散歩させるための「カップラー」という道具を用意しましょう。リードの先端に付ける二股に分かれた短いリードで、1本のリードで複数頭をつなぐことができ、絡む心配もない便利なアイテムです。

夜間の散歩

ときには夜間に子犬を散歩させることもありますよね。犬は暗いところでも思っている以上によく見えているので、飼い主が気づく前に拾い食いしてしまう心配があります。というわけで、リードトレーニングをきちんと意識することがより一層大切になります。また、犬にぐいっと引っ張られてリードを放さないように、昼間以上に注意しましょう。逃げてしまった犬を暗闇の中で見つけるのは困難です。暗い夜道でも愛犬の安全を守るために、小さな懐中電灯や首輪につけるライトを持っていくのも良い方法です。何よりも、犬をきちんと横につかせて、できれば明るい街灯のある歩道を歩きましょう。

子犬との散歩は、飼い主と子犬の心が通い合う貴重な時間になります。子犬のリードトレーニングの方法を知っていると、犬が飼い主にとって楽しい散歩のパートナーになってくれるのはもちろん、コミュニケーションによって関係をより強く深くすることができるはずです。

子犬のトレーニングに関するヒントやコツをもっと知るには、さらに総合的な記事にまとめた子犬のしつけトレーニングの基礎をご覧ください。

Contributor Bio

カラマーフィー

筆者紹介
カーラ・マーフィー

 

カーラ・マーフィーはペンシルバニア州エリー在住のフリーライターで、ゴールデンドゥードゥルのマディ-と暮らしています。

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