
犬の早食いは心配?
ペットに最適なフードを見つけましょう。
ペットに最適なフードを見つけましょう。
ペットに最適なフードを見つけましょう。
食事を食べる速さは、人では早い人もゆっくりな人もいていろいろですよね。犬の場合には、あっという間に完食してしまう、というイメージがあるかもしれませんが、実際のところは犬でもその大きさや犬種、飼育環境などによっていろいろです。今回はそんな犬の早食いについて、健康上のリスクのほか、その対策についてご紹介します。
犬が早食いする理由とは
早食いするのは、食欲が旺盛、食への興味・関心が高い、といった犬としての元々の習性を残しているタイプだから、ということも多いとは思いますが、それに加えて次のような理由が関わっていることがあります。
- 競争 : PetSafe*¹ によると、多頭飼育の家庭だと、食べ物をほかの犬にとられないよう急いで食べないといけない、と感じたり、実際に子犬の頃に兄弟姉妹と食べ物を奪い合った経験があったりして、いわゆる競争心理で早食いが習慣になってしまうことがある、と説明しています。犬ではなく、同居の猫や人間を競争相手だと思ってしまうケースや、本能としてこの競争心が備わっていることもあります。
- 食事時間が不規則 : 保護犬の場合、食事に関するしつけがなされていなかったり、決まった時間に食事を与えられていなかったなどの理由で、早食いが顕著なことがあります。このような状況であれば、今食べておかないと今度はいつ食べられるか分からない、という思考回路になるのも無理もないでしょう。これは、元々野良犬だった場合にも当てはまります。焦らずに愛情をもって、食事は決まった時間に出てくる、必ずもらえるもの、ということを理解してもらうように根気強くケアしてあげましょう。
- 栄養不足 : 食事の質や量が原因になることもあります。今与えている食事内容や量が適切かどうか獣医師に相談し、愛犬の栄養ニーズに合うドッグフードを薦めてもらいましょう。
- 何らかの病気の影響 : 食欲が異常に増えてしまうような病気もあります。Puppytip*² によると、糖尿病やクッシング症候群は代謝系に影響を及ぼし、食欲を増進させるそうです。また、寄生虫が原因の場合もあります。
早食いの健康上のリスクとは
アメリカンケンネルクラブ (AKC)*³ によると、早食いは胃腸に負担をかけ、嘔吐を起こすことがあります。さらに、食物を噛まずに飲み込むことで喉に詰まらせてしまう窒息のリスクや、誤嚥してしまう可能性も考えられます。また、急いで食べることで大量の空気を一緒に飲み込んでしまい胃拡張を起こすこともある、と説明しています。ドライフードを食べた後に、急に大量の水を飲むことでも胃拡張になります。胃拡張は胃捻転を起こしやすい状況であり、とくに胸の深い犬種や高齢の犬では注意が必要です。胃捻転は死亡してしまうこともある非常に危険な状態です。
愛犬が早食いかどうか、病的な原因やそれを助長しているような習慣がないか、動物病院でチェックしてもらいましょう。とくに最近になってから早食いが気になるようになった、という場合には早めに動物病院に行かれることをお勧めします。
早食いの対策
病的な原因に対しては適切な治療を受けること、そして食事内容の問題であれば、適切なフードを適量与えるようにします。多頭飼育による競争心理が考えられる場合には、食事の場所を分けて別々に与えることで改善する可能性があります。そうはいっても、そのような明確な理由がわからない、いわゆる早食いのケースも多いことでしょう。そういった食への執着による早食いに対しては、次のような物理的な工夫をしてみてください。
- 食事回数を増やす : 1回にまとめて食事を与えるのではなく、少なめの食事を1日数回に分けて与えると役に立つことがあります。Dogster*⁴ によると、1回の食事量を減らすことで胃拡張の危険性も少なくなるそうです。.
- スローフィーダーを利用 : スローフィーダーとは、早食いを防止するための特殊な形状をした食器のことです。市販のものもありますが、いつものフードボウルに小さめのボウルや食器を逆さまにして入れ、その周囲にフードを入れるなどして、自作することもできます。
- 食事時間を楽しいものに : フードが数粒ずつ出てくるタイプの知育玩具を利用するのも良い方法です。マフィン型を使って自作することもできます。マフィンの焼き型(数個ついているもの)にフードを数粒ずついれて、ボールやおもちゃでそれを隠します。犬はニオイを頼りにフードを探しますが、数粒ずつしか食べられません。犬に頭を使って楽しんでもらいながら、食べる速度も遅くすることができます。
程度にもよるかとは思いますが、やはり早食いは胃腸への負担もかかりますし、肥満にもなりやすく、さまざまなリスクがあります。できるだけ安心して食事ができるような環境を整えること、早食いしにくい工夫を取り入れることは、犬の健康にとってメリットの方が大きいでしょう。
参照先:
*1 https://www.petsafe.com/blog/my-dog-eats-so-fast-is-that-a-problem/
*2 https://www.puppytip.com/why-does-my-dog-eat-so-fast/
*3 https://www.akc.org/expert-advice/nutrition/slow-your-dogs-eating/
*4 https://www.dogster.com/dog-health-care/how-to-prevent-bloat-in-dogs
Contributor Bio

ジーン・マリー・バウハウス
オクラホマ州タルサ出身。ペットの飼い主でもあり、ペットブロガー兼小説家。膝の上に乗りきらないほどのペットたちに監視されながら執筆活動中です。