いつもなら散歩や遊びを喜ぶ愛犬が、今日は寝てばかりいる。呼びかけへの反応も弱い。そんな様子を見ると心配になるものです。
激しい運動をした後など、一時的な疲れによって元気がないように見えることもあります。しかし、活動性の低下は体調不良の兆候として現れることもあり、心臓や消化器などさまざまな病気が関係する可能性があります。
本記事では、犬に元気がないときに確認したいことや元気がない原因、対処法などを解説します。
「元気がない」という変化だけでは原因を絞りにくいため、まず食欲、水分摂取、排泄、呼吸、歩き方などを確認します。
いつも通り食べているか、水を飲めているかを確認しましょう。
元気がないうえに食事をほとんど食べない、水を飲めないといった場合は、単なる疲労ではない可能性があります。
普段どのくらい食べ、水を飲んでいるかを大まかに把握しておくと、変化に気づきやすくなります。
消化器の不調でも元気がなくなることがあります。
嘔吐や下痢が続くと、水分や電解質が失われ、脱水や体力低下につながる可能性があります。
嘔吐や下痢がある場合は、回数や状態をメモしておくと、受診時に経過を伝えやすくなります。
犬が食後に吐く原因を詳しくチェックしたい方は以下の記事をご覧ください。
呼吸が明らかに苦しそうではないか、立ち上がれない、足を引きずるなどの変化がないかも確認します。
元気のなさに加えて普段とは異なる症状がみられる場合は、早めの受診を検討しましょう。
呼吸の様子や歩き方は、可能であれば動画に残しておくと、病院で普段との違いを説明しやすくなります。
「今日の散歩の後から」「昨日の夜から」「数日前から徐々に」と、変化が始まった時期を把握しておきましょう。
動物病院を受診するときに、いつからどのような変化があったかを伝えられると診断の手がかりになります。
その前後に食事の変更、外出、誤食の可能性などがなかったかも振り返っておくと、原因を考える手がかりになります。
犬の活動性が下がる理由は、一時的な疲れから体調不良までいろいろあります。元気のなさ以外に何が起きているかを見ることが、原因を考える手がかりになります。
いつもより長時間散歩したり、ドッグランなどで激しく遊んだりした後は、健康な犬でも一時的に疲れて寝ていることがあります。
休んだ後にいつもの反応や食欲が戻るのであれば、一時的な疲労の可能性も考えられます。回復しない場合は、ほかの原因も含めて動物病院に相談しましょう。
休息後の様子を見るときは、呼びかけへの反応や食欲が普段に戻っているかも確認します。
元気消失は特定の病気だけにみられる症状ではありません。
感染症、心臓の病気、肝臓の病気、内分泌疾患など、さまざまな体調不良で活動性が低下することがあります。そのため、「元気がない」という症状だけで原因を特定することはできません。
発熱、咳、呼吸、食欲など、同時にみられる変化があれば受診時に伝えましょう。
胃腸の不調に伴って、元気がないように見えることがあります。
たとえば胃腸のトラブルでは、嘔吐、食欲低下、腹痛、下痢、脱水とともに元気消失がみられることがあります。
「元気がない+吐いている」「元気がない+下痢が続いている」という場合は、消化器症状も獣医師に伝えましょう。
下痢や嘔吐がある場合は、便や吐物の状態、回数なども見ておくと診察時の情報になります。
以下の記事では胃腸の弱い犬のケア方法を詳しく解説しています。
引っ越し、旅行、ペットホテル、新しい家族や動物を迎えたことなど、環境の変化によって一時的に活動性や食欲に変化がみられることがあります。
ただし、ストレスだと思い込んだ結果、病気の発見が遅れる可能性もあります。長く続く場合やほかの症状を伴う場合は受診しましょう。
環境が変わった時期と元気がなくなった時期が重なるかを確認しつつ、体調不良の兆候がないかも見ておきます。
「元気がない」は生活全体の活動性が落ちている状態、「運動不耐性」は運動を続けにくい状態を指します。見た目が似ていても、現れ方が異なります。
たとえば、普段から寝てばかりで遊びにも反応しないのか、散歩には出るものの途中ですぐ休むのかを分けて観察します。
元気がない状態では、普段の生活全体で活動性が低下し、遊びや周囲への興味も薄れていることがあります。
一方の運動不耐性は、「散歩を始めることはできるが、以前と同じ距離を歩けない」「少し動いただけですぐ休んでしまう」など、運動を続けられない状態を指します。
どちらも体調不良が関係することがあるため、以前と比べてどの場面で動けなくなっているのか記録しておくとよいでしょう。
自宅では、まず落ち着いて休ませ、食事や排泄など普段との違いを記録します。元気のなさが続く場合に備えて、いつから変化したかも控えておきましょう。
激しい運動の直後など原因が明らかで、ほかに症状がない場合は、まず落ち着ける場所で休ませます。
無理に散歩や遊びへ誘う必要はありません。
休ませる場所は暑すぎたり寒すぎたりしないようにし、落ち着いて過ごせる環境を用意します。
食事を食べたか、水を飲んでいるか、尿や便に変化がないかを確認しましょう。
嘔吐や下痢がある場合は、その回数や状態も記録しておくと受診時に役立ちます。
いつもの量と比べられるよう、食べた量や排泄回数を簡単にメモしておくと経過がわかりやすくなります。
犬の下痢・嘔吐への対処法を詳しく知りたい方は以下の記事もご覧ください。
人用の薬や、以前処方された別の症状の薬などを自己判断で使用することは避けましょう。
原因に応じた治療が必要なため、薬が必要と思われる場合は獣医師に相談しましょう。
人用の薬には犬に適さない成分が含まれることがあります。以前処方された薬であっても、獣医師の指示なしに使わないようにしましょう。
元気のなさに別の症状が加わっている場合は、受診を急いだ方がよいことがあります。特に、立てない、呼吸が苦しそうなど普段と明らかに違う状態には注意が必要です。
普段と比べて明らかに元気がない場合や、ほかの症状を伴う場合は、早めに動物病院へ相談しましょう。
特に、ぐったりして立てない、意識を失う、呼吸が苦しそう、嘔吐・下痢を繰り返す、食事や水分を摂れないといった場合は、速やかな診察が必要になる可能性があります。
受診すべきか迷うときは、症状と発症時期を伝えたうえで、動物病院へ電話で相談する方法もあります。
診察では、まず問診と身体検査から始まり、症状に応じて追加検査が検討されます。受診前に経過を整理しておくと、限られた時間でも状態を伝えやすくなります。
獣医師はまず、いつから元気がないのか、食欲や排泄の状態、誤食の可能性、持病や服薬歴などを確認します。そのうえで身体検査を行い、必要に応じて血液検査やレントゲン、超音波検査などを検討します。
嘔吐を伴う場合には、異物など緊急性の高い原因がないか確認するため、画像検査が用いられることもあります。
診断後の過ごし方は原因によって異なります。運動量や食事について指示が出た場合は、その内容を基準にしながら回復の様子を見ます。
病気やけがによって運動を制限する必要がある場合は、獣医師から指示された範囲で過ごしましょう。
運動量が減る期間が長くなると、これまでと同じ食事量では体重が増える可能性もあります。必要に応じて食事量やフードの種類について獣医師に相談しましょう。
診察で消化器のケアが必要と判断された場合は、食事の見直しを提案されることがあります。愛犬の年齢や体調に合ったフードを選ぶことも、運動制限中の体重管理に役立ちます。
愛犬に合ったフードを選ぶ際は、以下の記事も参考にしましょう。
高齢期には活動量が落ちることがありますが、急な変化まで「年齢のせい」と考えないことが大切です。以前との違いを基準に見ていきます。
高齢期になると、若いころより寝ている時間が増えたり、散歩のペースがゆっくりになったりすることがあります。
しかし、「高齢だから元気がなくて当然」と考えるのは避けましょう。
急に散歩へ行きたがらなくなった、食欲が落ちた、立ち上がり方が変わったなど、以前との違いがはっきりしている場合は、病気や痛みが関係している可能性があります。
以下の記事では高齢犬の健康管理の基本を解説しておりますので、ぜひご覧ください。
愛犬に元気がないとき、最初に何を見るか、運動不耐性とどう違うか、受診を考える目安などよくある質問に回答していきます。
食欲、水分摂取、呼吸、嘔吐・下痢、排泄、歩き方などを確認します。「いつから」「どの程度」元気がないのかも記録しておきましょう。
食欲や呼吸など普段との違いも一緒に記録しておくと、受診時に状態を伝えやすくなります。
元気がない状態は生活全体で活動性が低下している状態、運動不耐性は以前できていた運動を続けられなくなる状態を指します。どちらも体調不良の兆候になる可能性があります。
元気がないのが一日を通して続くのか、運動したときだけなのかを分けて見ると違いがわかりやすくなります。
原因がわからないまま元気のない状態が続く場合や、食欲低下などほかの症状もある場合は動物病院を受診しましょう。
元気のなさが続く期間に加えて、食欲や排泄などほかの変化があるかも受診の判断材料になります。