犬とツタウルシ:触るとかぶれる植物に注意

執筆: ジーン・マリー・バウハウス
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ペットに最適なフードを見つけましょう。

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植物にはたくさんの種類がありますが、その中には触れるとかぶれを起こすことで知られている植物もあります。ウルシは、人間にとってかぶれる植物の代表格ですが、その中でもツタウルシは人によってはそばを通っただけでもかぶれを起こすともいわれる強力なかぶれ植物です。犬が痒がっていて、犬もこのような植物によってかぶれることがあるのか疑問に思ったことのある飼い主さんもいらっしゃることでしょう。このツタウルシにまつわる、知っておいたほうがよいあれこれをご紹介します。

ツタウルシ(ポイズンアイビー)とは?

ツタウルシはウルシ科の植物で、ほかのツタ植物によく似ていますが、葉が3枚に完全に分かれているのが特徴です。ウルシオールという、人に通常かぶれを起こす樹脂成分を含んでいます。この樹脂成分を含むその他の植物には、樫の木に似た葉を持つウルシ(ポイズンオーク)と、毒ウルシがあります。これらの植物は、米国では森林や荒れ地などの自然豊かな場所に限って生育しているというわけではなく、住宅街の公園や一般家庭の庭にも生えている可能性があるので注意が必要です。これらの植物の見分け方の詳細は、米国食品医薬品局 のウェブサイトをご覧ください。

犬もツタウルシにかぶれる?

ペット中毒ヘルプライン によると、犬もツタウルシで発疹が出ることがあるようですが、それほど多く起こるものではないようです。多くの犬の皮膚は、被毛によってこの樹脂成分から保護されているからだと考えられています。そうなると、被毛が薄い犬や非常に短毛の犬は発疹を起こしやすいと言えるかもしれませんが、必ずしもそのような犬たちがウルシオールに反応しやすいというわけではないようです。むしろ、犬にとって最も危険なのは、ツタウルシを摂取することにあります。ツタウルシを犬が摂取した時に起こりうるのは、一般的にはせいぜい胃の不調程度ですが、重度のアレルギー反応によってアナフィラキシーショックを引き起こす場合があり、それによって気道が収縮し、呼吸ができなくなることがあるのです。このアナフィラキシーショックが犬で起こることは、アレルギーをもった人で起こることほどの頻度ではありませんが、それでも念のために犬にも注意を払ったほうがいいでしょう。もし、ツタウルシやウルシ、または毒ウルシを食べてしまったことが分かったとき、または疑われるときは、愛犬から目を離さず、すぐに獣医師に連絡しましょう。

ツタウルシに接触、あるいは摂取してしまった場合の症状

以下は、犬がこれらのかぶれる植物に接触したときやそれらを食べてしまったときによく見られる症状の一部です。

  • 接触した部分の発赤、腫れ、かゆみ
  • 水ぶくれ、かさぶた
  • 腹痛
  • 嘔吐
  • 下痢

アナフィラキシーを起こすリスクがあること、そして、これらの症状がまた別の疾患の徴候である可能性もあるので、上記のいづれかに気づいたときは獣医師に相談してください。

Senior couple playing with their pet dog while out hiking. The dog is a curly haired retriever.

犬を介してツタウルシが人にかぶれを起こす可能性もある

ご紹介したように、犬にとってはツタウルシのかぶれ症状はそこまでひどいものではないものの、犬の体にツタウルシの樹液等の成分が付着していた場合、それが周囲の人や別のペットに何らかの影響を及ぼす可能性があることを忘れてはなりません。むしろこちらの方が心配すべきことかもしれません。ツタウルシの成分が被毛に付着している犬をなでたり、ブラッシングしたとき、あるいは犬の寝床に触れたり、犬が使った椅子やソファのクッションに座ったときに、これに触れてしまう可能性があるのです。

このようなことにならないように、ハイキングや散歩に連れ出すときは必ずリードでつなぎ、庭にこれらの植物を見つけたときは必ず取り除くようにしてください。ペット中毒ヘルプラインでは、ハイキングの後でペットを安全にしっかり拭くことができるように、タオルと手袋を持参することも勧めています。そして、これらの植物と接触した可能性があるときには、ただちに、できれば手袋を着用して、愛犬を洗ってください。もちろん首輪やハーネスとリードを洗うこともお忘れなく。ご自身がツタウルシに触れてしまったときも、その成分が周囲に広まらないように、入浴して洗い流すのが賢明です。

犬がツタウルシでかぶれてしまったら

犬に発疹などのかぶれのような症状があることに気づいたら、まずは獣医師に相談し、指示に従いましょう。ツタウルシによるかぶれだった場合には、オートミールを含む犬用のシャンプーが皮膚のケアにはお勧めです。オートミールには炎症や痒みを和らげるのに役立つ成分が含まれています。また、ツタウルシを摂取してしまった場合、お腹のトラブルが起きてもおそらくは軽度でいずれ自然に治まることがほとんどですが、それでも必ず獣医師に相談しましょう。そして、呼吸の様子に少しでも何か気になる変化が見られたら、すぐに動物病院に受診する必要があります。

地域によって、生育している植物の種類は異なるでしょうが、お住まいの地域の周辺にこのようなかぶれる植物が生えていないか、調べておきましょう。また、自然豊かな場所にハイキングなどに行った際には、犬の体をしっかり拭き取る、あるいはシャンプーする習慣をつけておくと安心です。犬に何らかの症状が出た場合には、悪化する前に早めに動物病院を受診するようにしましょう。

Contributor Bio

Jean Marie Bauhaus

ジーン・マリー・バウハウス

オクラホマ州タルサ在住のペットオーナーでもあるペットブロガー兼小説家。いつもペットたちに見守られながら執筆活動に勤しんでいる。

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