犬も嫉妬する?

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ペットに最適なフードを見つけましょう。

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ご近所のワンちゃんとちょっと遊んで帰ったら、愛犬の視線が冷たかった・・・。なんていう経験をしたことのある飼い主さん、多いのではないでしょうか。実際に犬も、大好きな飼い主さんの気持ちが自分以外の動物や人などに向いてしまった・・・・と感じると、やきもちをやく、つまり嫉妬することが分かっています。それでは犬が嫉妬しているとき、飼い主としてはどのようにふるまい、対処するのが正解なのでしょうか。その答えは、研究者がどのようにして犬の嫉妬を証明したのかを知ることで、読み解いていくことができます。

犬も公平さを理解している

長い間、不公平さを認識し、不当に扱われたと感じて嫉妬による行動を示すのは人間だけ、と考えられてきました。アメリカのニュースサイトNPR*¹ によると、サルも不当に扱われると抗議行動を取ることが研究により明らかになったことから、行動学者のフリーデリケ・レンジ博士は、犬も同様に嫉妬行動を示すのか調査を行うため、研究に着手したのだそうです。研究に組み入れられた犬は「お手」と指示されると、みんなお手をすることができました。時間の経過とともに、研究者たちは一部の犬だけにおやつのごほうびを与え、他の犬は同じ指示に応えているのに見ているだけでおやつをもらうことができない、という扱いを始めました。おやつをもらえなかった犬は、お手を躊躇するようになり、最後にはおやつをもらえなかった犬の多くが指示に従わなくなりました。犬は群れの他の誰かがひいきされていると感じた場合、人に腹を立てるようになるというのがレンジ博士の結論です。

複数の犬を飼っている飼い主さんなら、1頭におやつをあげると、他の犬もそれを期待する、というのは日常的によく感じることだと思います。多頭飼育の家庭では、公平性を維持することが重要です。それぞれの犬と日頃から信頼関係を維持するように心がけ、必ず順番が回ってくる、ということを理解してもらいましょう。不公平や理不尽な状況が続いた場合、時間の経過とともにやきもちをやいた犬は(人間にとって)好ましくない行動を示すようになり、お手を拒否するだけではすまなくなるかもしれません。

犬の嫉妬による行動は、犬が群れで暮らす動物だということに由来すると思われます。飼い主を群れのリーダーとして見ていても、常にリーダーの次の座を狙っているのです。互いに対して攻撃的な態度を示すとは限りませんが、それは何かが不公平だと感じても傷つかないということではありません。なお、ほかの犬だけでなく、人に対しても嫉妬が向けられることがあります(家にあとからやってきた赤ちゃんなど)。

Two dogs staring

犬の行動を理解する

犬の行動は、私たちが認識するよりも多くのことを教えてくれています。たとえば、犬が飼い主さんの足の上や足の間に座ろうとするときは、犬が不安を感じている可能性があります。それぞれの犬を日常的に注意深く観察することで、家族として全員がどのように影響しあっているのか意識できるようになります。

犬がやきもちをやいているとき、先程の研究の犬のように簡単な指示に従うのをやめるようになることもありますが、ほかにも、飼い主と他のペットや人との間に割り込もうとしたり、反対に人やほかの犬と関わろうとしなくなるといったことがあります。また、ひいきされていると感じた同居動物に対して攻撃的になったり、吠えたりするかもしれません。飼い主として、なでたりなどの愛情表現やおやつ、遊びの時間、褒めて伸ばすトレーニングなどは、大体みんな同じようになるように心がけましょう。薬を隠したおやつやトイレトレーニングのごほうびなど、1頭だけ違うことをする必要があるときは、できるだけ他の犬が見ていない別の部屋で行うようにしてください。

フェアでハッピーな環境づくりを目指して

犬は周囲をよく見ていて、アンフェアな状況にはとても敏感です。複数の犬を飼育している場合には、それぞれの犬の性格を理解しニーズを満たして、不公平感を感じないような環境づくりを心がけなければなりません。ある犬が嫉妬を感じているような行動を示すことがあったときは、決して叱らず毅然とした態度で落ち着いて接するようにし、基本的なトレーニングを通じて犬との信頼関係を再度築くように努めましょう。フェアなルールを徹底すれば、犬もそれを理解しますし、それぞれの犬と飼い主がしっかりと絆を深めることで、結果的に皆がうまくやっていくことができるでしょう。

執筆者 プロフィール

クリッシー・クリンガー

クリッシー・クリンガー

2人の子供、夫、そしてペットと暮らしている。教務中やブログなどの執筆活動中以外は、家族みんなで過ごす時間を楽しんでいる。飼い主とペットのアクティブで有意義な生活に役立つ記事の執筆に情熱を傾けている。