犬の行動で気持ちが分かる、犬の特徴的な行動と意味

執筆: エリン・オリラ
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犬の行動には意味があります。「犬語」が分からなくても犬の行動の意味を知り、原因を探ることは大切です。たとえば愛犬が、ある素材の物ばかりを舐め続けたり、同じ場所ばかりをぐるぐる回っているのを見たことがありませんか?ある特定の心理状態や健康上の問題が、このような行動に繋がっているのかもしれません。犬の行動に注意を払えば、問題行動を解決できるかもしれません。その為には、犬の特徴的な行動とその意味について知識を持つ必要があります。

犬の行動と意味(不安やストレスを抱えている時)

前述した通り、犬の行動は特定の気持ち、心理状態を反映していることがあります。不安やストレスを抱える犬が取る行動は、以下のように様々なものがあります。

行動1. 甘噛み、前足で引っ搔く

子犬は、飼い主とのコミュニケーションの取り方を勉強している時、飼い主を軽く噛むことがあります。甘噛み行動は、通常、遊んでいる最中に起こりますが、子犬は、口を使ってコミュニケーションをするためです。もし愛犬が頻繁に甘噛みをするようであれば、深刻な問題となる前に止める必要があります。
また犬は、不安や恐怖、あるいは攻撃のために噛んだり、前足を使って引っ掻いたりします。問題行動の原因がわかりますか?愛犬の気分が影響しているのでしょうか?もし、しつけが難しいようであれば、プロのトレーナーさん、あるいは行動学専門の獣医師に相談してみましょう。

行動2. 足の上に座ったり、股の間で寝たりする

これはよく「独占欲の表れ」として誤解される行動ですが、たいていの場合には、犬が何か不安を感じていたり緊張しているという気持ちの表れです。「所有/優位に立つ」という気持ちは、ほとんどの場合ありません。飼い主さんの近くに居ることで、安全な状態にある、という気持ちになりたいのです。必要であればかかりつけの動物病院で相談しましょう。

行動3. あくび

通常、あくびは疲労を表すものではありません。眠たいだけの場合もありますが、恐怖やストレスといった犬の気持ちが表れている場合もあります。もし、新しく出会った人の前で頻繁にあくびをするようであれば、その人と愛犬を仲良くさせようと急がない方が良いでしょう。愛犬は落ち着かないと感じていたり、恐怖を感じている場合があります。理由が何であっても、このような状況の時は強制的に仲良くさせようと焦らないことが肝心です。

行動4. 後ずさり

犬が後ずさりする行動も不安やストレスといった気持ちが表れていることがあります。新しい環境や見知らぬ犬や人との接触といった状況では不安やストレスを感じやすくなり、そのような状況から身を引き安全を確保しようとする心理が働くことで、後ずさりといった行動を取ります。

犬の行動と意味(健康上の問題があるかもしれない時)

犬が取る行動の中には、病気といった健康上の問題が背景にある場合があるので注意が必要です。

行動1. 同じ場所をぐるぐる回る

何度も同じ場所をぐるぐる回る行動をとる犬は、もしかしたら健康上の問題を抱えているのかも知れません。自分のしっぽを追いかけることもあります。しかし、愛犬の行動が衝動的にずっと回り続けるといった特徴を持つ場合、問題がある可能性があります。耳に感染があることが原因かもしれません。衝動的に自分の尻尾を追い続ける行動は、ブルテリアによく見られます。
もちろん、他の理由も考えられます。高齢犬の場合、突発性前庭症候群の可能性もあります。毒を摂取してしまったり、脳腫瘍になったりするリスクも抱えています。かかりつけの動物病院で診察を受けましょう。

行動2. 食糞

犬が排泄物を食べる行動は驚くものではありませんが、その行動には様々な理由があります。子犬の場合、母犬が子犬を清潔にしようと排泄物を舐める行動を真似することもあります。また、恐怖心がこのような行動を促進する場合があります。排泄物の中に気になるにおいがした場合など好奇心からこのような行動が見られる場合もあります。

さらに、食糞は、何らかの栄養素が不足している場合、本能的にとる行動でもあります。理想的なバランスを持つフードを与えることにより、栄養不足による食糞行動を阻止しましょう。特に、愛犬の体重が減少している場合には、かかりつけの動物病院で相談しましょう。

行動3. 頭を押し付ける

もし、愛犬が壁などに頭を押し付けているのに気付いたら、警戒が必要です。頭を押し付ける行動は、毒物中毒や脳の病気など、複数の重大な問題の兆候の可能性があります。すぐにかかりつけの獣医師に相談しましょう。

行動4. ハーハーと息を吐く

犬は身体の熱のほとんどを口から発散します。愛犬がハーハーと息をする行動は、おそらく身体の熱が高くなり過ぎている状態であり、体温を調節しています。しかし、痛みを抱えている場合にも見られる行動なので、息の吐き方には気を付けなければなりません。体温の調節が出来るようにサポートし、運動の前には、水分を十分に与えましょう。気温が上がる季節は要注意です。もし愛犬が怪我をしたのなら、すぐに動物病院に連れて行ましょう。いつもより呼吸が激しい場合には、他の健康上の問題を抱えている可能性もありますので、気になる場合は、かかりつけの獣医師に連絡しましょう。

行動5. 粗相や頻尿

普段とは違う場所で排尿する行動が見られる場合は、重い健康上の問題が原因となっていることがあるので注意が必要です。頻繁にトイレに行く行動も同様です。尿路、膀胱、あるいは腎臓に何らかの感染症状を抱えているのかもしれません。高齢犬の場合は、痴呆の兆候である場合もあります。

犬の行動と意味(その他)

不安やストレス、健康上の問題など様々な意味を持つ犬の行動を見てきましたが、最後にその他の犬の特徴的な行動とその意味について紹介します。

行動1. 穴掘り

犬が地面を掘る行動には、逃げるため、他の動物を追うため、涼しくて横たわれる場所を作るため、あるいは何か大事なものをそこに隠すためなど様々な意味があります。室内でも「穴掘り」行動を取る犬もいます。愛犬が、ブランケットやソファをひっかいたあとに、その場所に横たわるのをご覧になったことはありませんか?このような犬の行動は、夜中とお昼寝の時によく見られる、ごく普通の行動です。
もし愛犬の「穴掘り」行動が気になる、あるいは家具などを傷つけてしまう場合には、プロのトレーナーと訓練することも検討しましょう。

行動2.おしりをひきずる、床にこすりつける

愛犬が、おしりを床にこすりつける行動をご覧になったことはありませんか?「スクーティング」と呼ばれる行動です。おしりに草や毛がはさまって気になる、肛門嚢がいっぱいで排泄する必要がある状況など、様々な意味があります。

また、何か他の理由により、おしりに痒みなどがあるのかも知れません。アレルギーがある場合や、寄生虫が原因の可能性もあります。

犬の行動に注意し適切な対応をしましょう

犬の行動には意味があり、犬の気持ちの表れだったりします。ここで紹介した行動が全てではありません。例えば、不安な気持ちの表れとして、からだの震え、尻尾のしまいこみ、逃避行動、不適切な場所での排泄行動、自身の身体を噛んだり傷つけたりする自傷行動、吠える、などなど、多くの行動があります。

健康上の問題が原因となって現れる行動は紹介したものだけではありません。大切なことは、愛犬の行動には日頃から注意を払うということです。そのためには、犬の行動には意味があるということを理解しなくてはなりません。犬の行動とその意味が分かれば、より適切な対応、サポートをしてあげられます。また、隠れた健康上の問題の早期発見にも繋がります。

 

執筆者のプロフィール

エリン・オリラ

執筆者 経歴

エリン・オリラ

大のペット愛好家。言葉の力を信じ、相手を元気づけ、場合によっては生まれ変わらせるメッセージの力を信じている。
書籍またはインターネットで執筆作を発表。詳しい情報は、Twitter(@ReinventingErin) またはウェブサイトへ。

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