猫のしつけの基本

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ペットに最適なフードを見つけましょう。

ペットに最適なフードを見つけましょう。

ペットに最適なフードを見つけましょう。

子猫のしつけを考える時には、猫という動物そのものの本能や習性を理解することが必要です。猫は訓練可能ですか?

猫と犬は、そもそもその行動習性が異なります。犬は本来群れで暮らす習性があり、リーダーの指示に従い、リーダーに褒められ受け入れられることを喜びとします。一方、猫はそういった群れやリーダーといった概念はおそらくなく、自分が楽しいか、心地よいかという感情が一番です。

それでは猫にしつけをすることができないのか、というと、そうではありません。猫と快適に暮らしていくためには、最低限守ってもらいたいルールは教えていく必要があります。体のどこを触られても大丈夫なように人慣れさせておかなければ、日々のお手入れや健康状態の確認ができなくなりますし、キッチンカウンターの上を勝手に歩き回られたら危険です。

猫のしつけの基本

まず、一番に心得ておくべきことは、猫に罰を与えてはいけないということです。猫にとっては"ただ不快なことをされた"ということだけで、罰の意味を理解することができません。猫の本能や習性を利用して、良い行動を促すようにするほうがずっと効果的です。 猫のしつけの基本は、「尊重」「強化」「ご褒美」の3つがポイントです。

まずは「尊重」についてです。そのためには「猫おもいの」行動を取ることが大切です。たとえば、猫はじっと見つめられるのが嫌いだとか、突然の音や動きが苦手だとご存知でしたか?

「強化」は、してほしい行動を自発的にし続けてくれるようにすることで、そのためには一貫性と繰り返しが必要になります。例えば、猫がもしやめさせたいこと(キッチンカウンターに飛び乗るなど)をしたら、必ず優しくきっぱりと「ダメ」と言うようにします。そしてもし望ましいことをしたら、撫でてあげたり遊んであげたりなど、猫が好むことをしてあげましょう。

そしてご褒美をあげます。わかりやすいご褒美は猫の好きなフードやおやつですが、それ以外にも撫る、グルーミング、おもちゃで遊ぶなど猫が好むものやことはご褒美になります。


人に慣れさせる

抱き上げられることを嫌がる猫もいますが、早い段階から慣れさせるほど、嫌がらなくなります。

猫の性格にもよりますが、小さい時から抱かれることに対して印象がよいと、抱っこ好きな猫になります。甘えたいときに抱かれて安心した、抱かれたポジションが気に入った、抱かれたときに撫でてほしいところを撫でてくれたなどです。猫が好きな撫でポイントや抱かれ方をおさえておきましょう。

あまり触られるのが好きではなかったり、猫自身のタイミングで撫でられたり抱かれたりしたいという猫ももちろんいます。それぞれの猫の性格を尊重して、猫が甘えたいタイミングを逃さずキャッチして、甘えさせてあげましょう。

 

猫の爪とぎ行動

猫の爪とぎ行動は、爪の手入れのほか、テリトリーを示す自然なマーキング行動で、筋肉をしっかり伸ばすことにも役立っています。さらに、ストレスの発散方法の一つでもあり、猫としての大事な習性です。ですから、この行動をやめさせることは不可能です。家具をボロボロにされないようにするには、別のところで爪とぎするようにしつけをします。

爪とぎを準備してあげましょう。一般的にはダンボール素材や麻のロープのようなもので覆われている、表面がざらざらしたもの好まれるようです。サイズや形も好みの重要な要素なので、いくつか準備してあげるとよいでしょう。猫と爪とぎのそばで遊び、猫がそれを使ったときには褒め、ご褒美をあげてもいいでしょう。

猫が家具を引っ掻くと、そこには猫のにおいが付きます。猫が嫌がるにおいや味のする専用の忌避剤を塗ることで、猫が近づかなるかもしれません。引っ掻いたところにプラスチック製のものを置く人もいます。猫は通常つるつるした表面を引っ掻かないからです。どうしても引っ掻いてしまう家具のところに障害物をおいて物理的に爪とぎできなくする、あるいはそこに爪とぎを置くなどの方法もあります。

噛み癖をなおす

甘噛みは自然な子猫の行動です。遊んでいるときに子猫に手を噛まれたら、「痛い!」あるいは「いけない!」と短く言って、即座に遊ぶのをやめましょう。ただし、手をさっと引っ込めるのはやめましょう。素早く動くものがあると、遊びがもっと楽しくなってしまうだけだからです! また、噛んでもいいおもちゃやボールを使って遊ぶようにすると、猫の要求も満たせますし安全です。

クリッカートレーニング

クリッカートレーニングとは、最新の、効果の高い科学的な動物のトレーニング法です。既にお話しした原理を総動員しながら、さらに「カチっ」という音を聞かせて良い行動を印象付けます。

 

Contributor Bio

高橋智司

編集責任者: 高橋智司

アソシエイト ディレクター  獣医師
プロフェッショナル獣医学術部
日本ヒルズ・コルゲート株式会社

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