猫の妊娠について知っておきたいこと

執筆: クリスティーン・オブライエン
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ペットに最適なフードを見つけましょう。

ペットに最適なフードを見つけましょう。

ペットに最適なフードを見つけましょう。

これまでずっとスリムだった雌の猫が、近頃丸くなってきた・・・と感じたら、それはもしかしたら妊娠しているかもしれません。猫が妊娠しているときには、以下の様な兆候が見られるのが一般的です。

  • 体重が2~3週間で明らかに増えた(最終的に約1~2 kg増加します)
  • 乳首が腫れてピンク色になっている(これは「ピンキングアップ」と呼ばれ、妊娠3週目頃に見られます)
  • お腹が大きくなっている(5週目頃になるとはっきり分かります)
  • 食欲が増した
  • 嘔吐する
  • 性格が変わった(いつもより愛情深くなることもあれば、まれに引きこもりがちになることもあります)

まだ避妊手術を受けていない、あるいは手術をしているかわからない雌猫を飼っていて、上のチェックリストに当てはまるときは、すぐに動物病院で妊娠の確認をしてもらいましょう。獣医師は、血液検査、X線検査、超音波検査を実施して、猫が妊娠してるかどうか、時期によってはお腹の中に子猫が何頭いるかを確認してくれます。

妊娠中の猫のケア

猫が妊娠していることが分かったら、次に猫が妊娠期を安全に過ごせるように必要な準備をしましょう。猫は妊娠していてもかなり自立して生活できるかもしれませんが、妊娠期間の58~67日間(子猫が子宮の中にいる期間)に飼い主にできる妊娠中の猫のケアを知っておきましょう。.

ルーチンケアを強化する

当然のことながら、どんなやり方であってもお腹を押さえたり締め付けたりすると猫に不快感を与えますし、流産を引き起こすおそれもあると、アニマルプラネット は指摘しています。抱き上げたりしたいこともあると思いますが、その際にはお腹に負担がかからないように十分注意が必要です。

また、猫のトイレにもいつも以上に配慮します。掃除の頻度を、毎日少なくとも1回、できれば2回掃除してください。そして、今のトイレが妊娠中の体重やサイズに合っていないときは、入口が広くて段差が低めのものに取り替えましょう。

Cat nursing her little kittens, close up

栄養に注目する

妊娠中と授乳中は猫の栄養要求量が通常時とは変化します。イギリスのキャッツプロテクション・ナショナルキャットセンター によると、妊娠中の猫には他の猫よりも「約25%多くの食料」が必要です—ただし、与え過ぎには注意する必要があります。妊婦中の猫はエネルギーの要求量も高まっている ので、必要な栄養素とエネルギーをきちんと含んだフードを選びましょう。母猫とお腹の子猫が、ともに必要な栄養素をきちんと摂取できるように、どんなフードをどのくらいの頻度で与えるべきか、獣医師に指示を仰ぎましょう。

分娩と子育てのための巣作りに最適な環境を整える

愛猫の分娩に備えて、巣作りに安全で快適な場所を用意してあげましょう。ヴェテリナリー・パートナー の説明によると、出産に備えるために、「ほとんどの母猫は、妊娠の最終週あたりになると自分で巣作りをするための場所を探すようになります。巣作りに最適な場所は、家の中で人がほとんど通らず、他のペットからも隔てられている場所が好まれます。そういった場所を選んで、柔らかい寝床を準備してあげてください。」とのことです。そして、家族の全員が愛猫のプライバシーの境界を理解して、尊重するようにしなければなりません。

不幸な猫を増やさないために

ここまで、猫が妊娠しているかどうかをチェックする方法と妊娠中の猫のケアの仕方を紹介してきました。でも、一番大事なことは猫の妊娠や繁殖についてよく理解し、不幸な子猫たちを増やさないようにすることです。猫の避妊手術の意味について知っておきましょう。

避妊手術を受けさせる

望まない妊娠のために、避妊手術が必要なことは良く知られていることかと思いますが、ほかにも避妊手術を受けることで得られるメリットがあります。避妊手術は次のような問題を防ぐことができます。

  • 卵巣や子宮の疾患(卵巣嚢腫や子宮蓄膿症、腫瘍など)や、乳腺腫瘍などの健康問題
  • 発情期にみられる様々な問題
  • 猫の過剰繁殖(アメリカ動物虐待防止協会 は米国で保護施設に収容される野良猫は毎年320万頭に上ると報告しています)

妊娠している猫、あるいは出産後の避妊手術を検討する場合には、事前に獣医師によく相談しましょう。

室内飼いにする

避妊手術を受けさせることに加えて、飼育環境を整えることも、猫のトータル的な健康を考えるうえで重要な事です。ペット・ヘルス・ネットワーク は、室内で飼育することは、屋外で暮らした場合に起こりうる様々なリスク、例えば猫や他の動物とのけんかまたは交通事故による怪我、農薬あるいは何らかの薬物による中毒、細菌やウイルスなどによる感染症(猫エイズや猫白血病など)といった健康被害のリスクを下げることにもなるといっています。

猫を飼育するうえで、まずは猫の繁殖や妊娠についてよく理解しておきましょう。最適な年齢で出産させてあげることは、猫への負担軽減につながります。また妊娠に気づくこと、早めに獣医師に相談し関わってもらい、しっかり準備をして最適なケアを施してあげることも飼い主として大切な務めです。

筆者紹介

Christine O'Brien

クリスティーン・オブライエン

クリスティーン・オブライエンは、ライターであり母であり、家の中を取り仕切るロシアン・ブルー2頭と暮らす長年の愛猫家でもあります。Care.com、What to Expect、Fit Pregnancyでも、ペット、妊娠そして家庭生活について記事を書いています。InstagramとTwitter(@brovelliobrien)でも彼女をフォローすることができます。

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