愛犬が血を吐いた?落ち着いて対処するための3ステップ

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ペットに最適なフードを見つけましょう。

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愛犬が何かを吐くのでさえ動揺するものですが、血が混ざっていたら尚更です。もちろん、いつもと違う様子があればすぐに動物病院に相談すべきですが、その際に必要なのは正確な状況の把握。犬が血を吐いたときに考えられる原因や、診察前に確認しておきたいポイントを知っておくことで、落ち着いて対処できます。

1. 吐いた血の色や内容をチェックする

犬が血を吐いた場合にまずチェックしたいのは、吐いた血の色や量です。

吐き出した血の色が真っ赤の場合

真っ赤な色の血液を吐いた場合は、口の中や消化管内(多くは食道や胃)で出血が起こったばかりの可能性があります。

吐き出した血の色がピンク色の場合

吐いた血の色がピンク色の場合、喀血の可能性があります。喀血とは、呼吸器からの出血を吐くことを指します。

吐き出した血の色が黒い場合

吐いた血の色が黒く、凝固している場合やコーヒーのかすのように見える場合は、出血してから時間が経過していて、血液が一部消化された状態か、少し前に出血したことを意味します。

嘔吐物の中に点々と血が混ざっているのか、それとも、もっと多くの量の血が混ざっているのかにも注意します。

おもちゃの破片や殺鼠剤、殺虫剤など、嘔吐物の中に何か変なものが入っていないかも確認しましょう。何か見つけたら、それも持参するか写真を撮って獣医師に確認してもらいましょう。

2. 犬が血を吐く原因について理解する

犬が血を吐いてしまったら、まずは落ち着いて愛犬の様子を観察します。嘔吐が続いている、大量の血を吐いている、呼吸が荒い等の場合には至急動物病院を受診しましょう。犬が血を吐く場合の多くは、口の中からの出血、あるいは食道や胃などの上部消化管の刺激や損傷が関係していますが、中には鼻血が喉の奥に流れ込んだことで吐いてしまったり、肺などの呼吸器からの出血を吐き出す、いわゆる喀血であることもあります。

口の中からの出血の場合、おもちゃや骨を夢中になって咬んだことで歯茎が切れ、出血することもありますし、歯周病の進行例では少しの刺激でも出血してしまうことがあります。確認できそうであれば、唇を裏返したり口を開けたりして、可能な範囲で確認してみます。痛みがある場合には唸ったり咬もうとしたりなど嫌がる仕草を見せる可能性もあります。そのような場合は、無理せず、獣医師の診察の際に、どのようにしたら嫌がったのか、どのあたりが痛いのかもしれないなどの説明ができるようにしておくとよいでしょう。

3. かかりつけの病院に連れて行く

上述した内容を確認したのち、かかりつけの動物病院を受診します。2の項目で少し説明しましたが、肺や気管から血液が混ざった痰を吐き出すいわゆる"喀血"の場合でも、飼い主さんは血が混じった嘔吐をした、と獣医師に申し出ることがあります。咳をしたときにピンク色、赤色、コーヒーかす状のものが出てきた、という場合には喀血の可能性があり、その原因には、呼吸器疾患以外にもうっ血性心不全やフィラリア症などが考えられます。獣医師が喀血なのか、そうではないのか判断するのにも、吐き出したときの様子の説明は役立つでしょう。

動物病院では、個別の犬の状況に合わせて獣医師が処置や必要な検査を行います。一般的には血液検査やレントゲンの検査が行われますが、細かい内容は原因によって異なります。治療についても、消化管の炎症や胃潰瘍の場合は適切な医薬品の処方とともに、消化管が回復するまで消化しやすい療法食が推奨されることもあります。検査を早めに行うことで、より早く原因に対して対処できることが多いことを覚えておきましょう。

Contributor Bio

サラ・ウーテン獣医師

サラ・ウーテン獣医師

サラ・ウーテン獣医師は、カリフォルニア大学デービス校獣医学部の2002年卒業生です。アメリカ獣医ジャーナリスト協会会員のウーテン獣医師は、コロラド州グリーリーで小動物病院を開業しながら、職場の人間関係問題、リーダーシップ、クライアントとのコミュニケーションについての講演活動や執筆活動も行っています。楽しみは、家族とのキャンプ、スキー、スキューバダイビング、そしてトライアスロンに参加することです。