
猫の正しい食事回数とは
猫が室内で床に横たわっている。両前足、目、耳を真上に向け、視界の外にある何かを見ている。
ペットに最適なフードを見つけましょう。
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言うまでもないことですが、生き物にとって栄養は必要不可欠なものです。そして、栄養の取り方は各動物の食性にあった方法でなければなりません。栄養の取り方、つまり食事はその動物の健康に大きく影響をおよぼします。
猫が犬と同じようにペットとして飼われるようになって以来、多くの家庭では犬と同じように、猫に食事を与えるのは一日に1~2回、といった傾向が見られます。慣例的な習慣は続けてしまいがちですが、実は猫にとってその回数では少なすぎるのです。
猫が家畜化されたのは何千年も前のことですが、犬と比較するといわゆるペットとしての歴史は浅く、犬のように雑食化したり用途に応じて多くの種類が作られることはありませんでした。そのため、現在のイエネコは祖先とされるリビアヤマネコやそのほかの野生の近縁種と多くの点で非常に似ています。彼らは完全な肉食動物であり、肉または肉製品を食べる必要があります。そして、ハンターとしての本能を備え、本来の姿は一日何時間も獲物を探しながら10~20回の狩りをして、少量ずつその獲物を食べます。消化管が比較的短いので、少量を頻繁に食べることが最も適しているのです。
もちろん、通常の家庭は野生の環境とは異なるので、ペットの猫は野生で生活する猫ほどのエネルギーは必要ありませんし、実際問題として猫にそんなに多い回数の食事を与えることはできません。ですが、それでもより自然に近い方法で食事を与えることはできます。
一日に複数回の食事を与える
猫には一日に複数回、少量の食事を与えるのベストです。猫により、またフードの内容によりますが、5~8回程度が理想でしょう。このくらいの頻度だと空腹感を感じにくく食欲をコントロールしやすくなります。与える際には1日のトータルの食事量が一定になるようにして、あげすぎないように注意してください。
最近は便利な自動給餌器も多く市販されているので、上手に利用するのもひとつの方法です。常に清潔を保ち、動作チェックやフードの残量などを確認するようにしてください。
食事による猫との絆
食事を与えることは、人間と動物の絆の最も重要な部分のひとつです。私たちはペットに食事を与え、与えた食事をおいしそうに味わうのを見てうれしい気持ちになります。自動給餌器を使うと、猫とのこのような信頼関係が希薄になってしまうのでは、と心配に思う方もいるかもしれませんが、うまく使い分けることで、猫ちゃんとの絆を深めていくこともできます。猫ちゃんの健康面を考慮すると、不在が多い家庭の場合はメリットの方が大きいかもしれません。
まず第一に、自分があげたい時は自分が与え、外出時のみタイマーを使用することも可能です。一日のうち一番大事な食事を決め(朝食や寝る前など)、自分で与えることもできます。ウェットフードとドライフードをあげていて、ウェットフードがご馳走であるならば、そのご馳走は自分で与え、ドライフードをタイマーで与えることもできます。
第二に、タイマー付き自動給餌機には嫌な役を代わってもらうのにとても便利なことがあります。たとえば猫にダイエットさせる時、猫は食事を求めて飼い主ではなくタイマー付き自動給餌機を見つめてくれるので、罪悪感を感じずにすみます。また、猫には特定の採食パターンがないので、昼夜を問わずタイマーをセットしてあげれば飼い主のライフスタイルを変えることなく、食事を与えることができます。
まとめ
猫にとっては一日5~8回の食事が理想的です。食事の場所を複数設けて運動させてもいいですし、一部をパズル付き給餌機にしたり、タイマー式のものにしたりすることもできます。飼い主さんのライフスタイルによって、やりやすい方法を組み合わせるとよいでしょう。猫のフードの内容と一日当たりの量が適正かどうかを、獣医師に確認しておきましょう。猫も人間もお互いにストレスなく過ごせるのが一番ですね。
監修:ハイン・マイヤー博士(DVM、PhD、Dipl-ECVIM-CA)