
猫同士にもいじめ?原因や対処法について
ペットに最適なフードを見つけましょう。
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猫は基本単独行動で、我が道を行く、という印象が強いかもしれませんが、猫にもいわゆる弱いものに対して強い猫が意地悪するいじめがあるようです。
じゃれ合いやケンカと似ているところもありますが、いじめの場合はやられている猫の方が弱く、やり返さずにすぐに逃げます。まずはいじめが起きている時の具体的な状況を見ていきましょう。
いじめる側の猫とは?
縄張り意識が強く、生まれてからほかの同居ペットと暮らしていていたとしても、その所有欲の強さは変わりません。このような強い猫が、権力を振りかざすようになると別の猫の生活までも脅かすようになり、とうていじゃれ合いとは言えない状況になります。
猫のボディランゲージを注意して観察してみてください。猫のいじめとしてよくみられるサインには次のようなものがあります:
- じっと見る
- シャーと言う
- 噛みつく
- 追いかけまわす
- 引っ掻く
- 攻撃的な姿勢を取る、背中を弓なりにする、尻尾を膨らませる、耳を斜めにしたり寝かせたりする、瞳孔が拡大する
明らかな理由があるとき、たとえば、新しい猫やペット、赤ちゃんがが初めて家にやって来た場合などに猫が攻撃的になってしまうのはある程度仕方のないことです。我慢の限界が来た時に攻撃がより明確な形(噛みつく、襲いかかる)で現れ、状況によっては相手に怪我をさせてしまうこともあるため注意します。ただし、いじめの場合には同じような攻撃的な様子に見えても、これは優越性を主張するためのもので、恐怖による威嚇が目的ではありません。
アメリカ猫獣医師協会 (AAFP) は、「攻撃を仕掛ける猫は、食べ物やトイレ、休憩場所、周りがよく見える場所、注目を集めることにおいて主導権を握り、攻撃を受けた猫は通常黙って引き下がります」。と猫のいじめの様子を説明しています。人間のいじめもうそうかもしれませんが、よく注意して見ていない限り、このようないじめ行動に気がつかないこともあるようです。
猫のいじめの原因とは?
シャロン L. クローウェル・デイビス獣医学博士はVetFolio*¹の記事内で、猫のいじめの典型は、自分の優位性を主張する、いわゆるボス猫気質のある猫がする行為である、と説明しています。加えて、わかりやすいケンカのような攻撃とは違って、さりげなくこそっとされることも多いようです。そのあたりはかしこく振る舞うので、甘え上手な一面と裏腹にブラックな一面があることになかなか気づかないかもしれません。
クローウェル・デイビス博士はさらに、「上位の猫の中には弱い者いじめをする猫がいます。下位の猫が明らかに服従の態度を示し、関わらないようにしても、定期的に優位性を誇示して攻撃を仕掛けるのです。」と説明します。また、この手のいじめは通常、何も外部ストレスのない平和な家の中で起きます。平和を乱すのは、食べ物や水、トイレ、おもちゃ、ベッドなど、猫にとって重要なものにおいて優越性を主張したがる猫一匹というわけです。
このようなボス猫気質の傾向は、年を取るにつれて強くなることがあるとアメリカ動物虐待防止協会 (ASPCA) は指摘します。高齢猫の攻撃的な態度がエスカレートしたり行動に変化が見られたりしたら獣医師に相談するようにしましょう。
猫のいじめの対処法について
まず、状況をよく観察していじめの具体的な内容を把握します。どのようなタイミングのときに起きやすいのか、内容や程度など注意して見てみましょう。なお、猫が攻撃的な行動や横暴な態度をとったからといって、必ずしも性格そのものが攻撃的または横暴であるというわけではないということは理解しておきましょう。
「攻撃性は猫の特徴や気性を表わすものではなく、心の状態がもたらす結果なのです」と、International Cat Care*²は説明しています。そのため、いじめをする猫に(さらに言うならどんな猫にでも)叱ったり、体罰を行ってはいけません。体罰は余計に猫を怖がらせ、さらに攻撃性を高めてしまう恐れがあるからです。代わりに、攻撃的になっている猫を落ち着かせることに重点を置きます。
まず、家の中で追い詰めたりプロレスごっこをしたりするのをやめさせて、それぞれ別の部屋に隔離します。それぞれの猫が自分の縄張りがあると感じられるよう、別の場所で食事させます。トイレやおもちゃ、猫の居場所(キャットタワーなど)などの数も見直して十分な数を準備するようにします。
飼い主さんのことを独占したがる行動もあるかもしれません。このような時にも、別々の場所でそれぞれかわいがるようにします。また、猫が興奮して攻撃的になっているときに安易に手を出すと怪我をする可能性があるため危険です。大きな音を立てる、正反対の方向におもちゃを投げるなどで、猫たちの注意をそらした上で、行うようにします。
隔離して様子をみながら、大丈夫そうであれば元に戻す時間を増やしてみます。環境を整えることで解決することもあるかもしれませんが、どうしても関係の修復が難しいこともあります。様子が悪化するようであれば、何らかの疾患の可能性も考慮して獣医師に相談しましょう。
みんなが仲良くできればそれが一番ベストですが、人間同様、猫にもどうしても合わない関係というのは存在します。猫に必要な環境をできるだけ整える努力をしつつ、なんとか折り合いをつけて暮らしていけるといいですね。
参照先:
*1 https://www.vetfolio.com/learn/article/understanding-behavior-intercat-aggression
*2 https://icatcare.org/advice/aggression-between-cats/
Contributor Bio

クリスティーン・オブライエン
クリスティーン・ブロヴェリ・オブライエン博士は、キャットライター協会(CWA)の専門会員でSTEAM講師でもある愛猫家です。InstagramやX(旧Twitter、@brovelliobrien)でもフォローすることができます。