タンパク質の摂り過ぎは、ペットにとって良くないのでしょうか。

飼い主の多くがペットのことを考えて、タンパク質を過剰に与えがちです。しかし、タンパク質に関する科学的事実は、みなさんが考えているよりも、もう少し複雑です。実際、タンパク質の摂り過ぎは動物の場合も、「過ぎたるは及ばざるがごとし」であることが科学的に判明しています。

あえて簡単に言うと、タンパク質を多く摂っても筋肉が増えるわけではないということ。ペットが1日に必要とする量を超えて摂取した場合(ペットにも1日の必要摂取量があります)、肝臓、腎臓、腸管内菌叢に悪影響を及ぼす場合があるのです。

肉に対する犬の本能的な欲求を測定することは不可能です。しかし、フードを自由に選べる場合、犬は高タンパク質ではなく高脂肪のものを選ぶことが、研究から示されています。

実際, タンパク質を過剰に摂取しても、ペットの体は次の2つのことしかできません。:

  • 老廃物や排泄物に変える
  • 脂肪として蓄える

ペットの最適な栄養には、タンパク質の品質が、量と同じくらい重要だと考えています。

それでは、良質なタンパク質は体内でどのように使われているのでしょうか。

  • 消化されやすく、筋肉を増強する
  • 体が必要とするタンパク質の構成要素である全ての必須アミノ酸を高レベルに引き上げる
  • ミネラルや他の栄養素を過剰に摂取させない
  1. Meyer H, Kienzle E. Dietary protein and carbohydrates: Relationship to clinical disease. In: Proceedings. Purina International Nutrition Symposium, Orlando, FL, 1991: 13-26.