犬がアルコール（お酒）を舐めたら危険な理由と対処方法

朝、ふと目覚めると残っていたはずのグラスのワインが空っぽで、こぼした形跡もなく、部屋には自分と犬以外誰もいない・・・。こんな状況は想像したくもありませんが、万一犬がアルコールを摂取してしまったらどうなるのでしょうか。酔っぱらったような様子が見られる程度なのか、それとも中毒のような深刻な状況になるのか、動物病院に連れて行く必要があるのか、などなど飼い主としては知っておきたいことばかりですね。

犬を飼っていると、思いもよらない想定外の事件が起こることもあります。犬が口にして危険なものは片づけておくのは基本ですが、万一の状況になっても慌てずに正しく対処できるよう学んでおきましょう！

犬がアルコールを飲んだらどうなる？

アルコールは、チョコレートや玉ねぎと同じように犬にとって有毒 です。というのも、犬は人間のように体内でアルコールを分解することができないからです。飲み物だけでなくシロップや生のパン生地に含まれているものも含めて、たとえ少量でもアルコールは犬にとって有毒な成分を含んでいることがあります。エタノール（ビール、ワイン、蒸留酒に含まれる中毒物質）とホップ（ビールの醸造に使われるもの）は、どちらも犬にアルコール中毒を引き起こすおそれがあり、その症状には以下のものがあります。

• 嘔吐
  
• 見当識障害
• 高体温
• 落ち着きのなさ
• 過度のパンティング
• 筋振戦と痙攣発作

重症の場合や治療しないまま放置した場合、犬のアルコール中毒は臓器不全を引き起こし、死に至ることさえあります。

犬にアルコールは少量でもNG

ビールやワインなど、少量ペロッと舐める程度なら大丈夫だろうと思われるかもしれませんが、結論から言うと犬にアルコールを飲ませるのは絶対にダメということです。犬の酔ったような様子がみられて、その時は面白い光景に見えるかもしれませんが、健康を危険にさらすことは決して許されません。愛犬の安全を守るのは飼い主の責任です。

犬が誤ってアルコールを飲んでしまったときはどうするべき？

どんなに気を付けていても、起きてしまったときは、すぐにかかりつけの獣医師に至急連絡をして、指示に従いましょう。その際、飲んでしまったアルコールの種類や量、経過時間など、状況をしっかり説明します。内容によって、獣医師からただちに検査のために受診するよう指示されることもあれば、しばらく様子を見て、何らかの反応が現れたら受診するよう勧められることもあります。

愛犬がアルコールを舐める程度ではなく、それ以上に飲んでしまったとき、あるいはどのくらい飲んだか分からないときは、直ちに動物病院を受診します。こういった緊急時に備えて、時間外にも診察してもらえるような、救急対応の動物病院についても調べておくと安心です。動物病院を受診する際には、事前に犬が誤ってアルコールを飲んでしまったことを伝えておくといいでしょう。獣医師は到着と同時に治療を始める準備をしておくことができます。

犬のアルコールの誤飲を防ぐために

犬が誤ってアルコールを摂取してしまわないように、できる限りの対策をしておきましょう。

• アルコールあるいはアルコールを含む食品は愛犬の手の届かないところに保管する：こういったものは、冷蔵庫や戸棚、食品保管庫など、犬がイタズラできないようなところに収納しましょう。
• アルコール飲料をそのまま放置しない：何らかの理由でグラスから離れるときは、いない間に犬が盗み飲みしないように、必ず犬の手の届かないところに置くようにします。寝る前には、飲み残しのアルコールは片づけるか冷蔵庫にしまうようにしてください。
• パーティーなどの際にはゲストにも協力をお願いする：犬が居る場所でパーティーを開くときは、必ず参加者全員に、どんな時にも犬にアルコールを与えるのは良くないことを説明しておきましょう。盛り上がって犬への注意が散漫になりそうなときは、犬を別の部屋にうつしておきましょう。
• アルコールをこぼしたとき：アルコールをこぼしたときは、部屋が汚れる心配は後回しにして、必ずその場所からできるだけ早く犬を離すようにしてください。

お酒の席は楽しくて、さらに酔いもあいまってついつい犬にもいろいろあげたくなってしまうこともあるかもしれません。でも、犬がどんなにねだってきても、シェアは絶対にいけません！お酒はほどほどに楽しみましょう！