ペットに最適なフードを見つけましょう。

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ストレスとは、外部からの刺激などによって体の内部に生じる反応のことです。不安や恐怖のほか、モチベーションの低下やイライラなどの心理的なものと、身体面に症状が出る場合があります。現代社会では実に多くの人がストレスを感じているといわれています。中には自覚がないまま蓄積してしまうケースもあり、とてもやっかいな問題です。なんと、犬にもストレスによって、嘔吐や下痢などの消化器トラブルをはじめとした短期的、あるいは長期的な健康問題を引き起こすことがあります。今回は犬にとってストレスとなりうること、そして、ストレスが体調にもたらす影響について解説します。

犬にとってストレスとなる原因

犬のストレス源となるものは数多く存在します。よく知られているのは以下の通りです。

  • 犬が愛着を感じている人と離れること(この刺激に対する苦痛を伴ったストレス反応のことを分離不安といいます。)

  • ホテルなどに預けられること。

  • 新しい赤ちゃんや親戚など、見知らぬ人が家に滞在すること。

  • 飼い主さんが外出すること。外出の準備をし始めることさえストレスになることがあります。

  • ほかの犬との争いなど、トラウマになるような出来事。

  • 花火などの大きな音(に対する恐怖。)

  • ストレスを感じやすい素因や犬種(特にストレスを感じやすいとされる犬種もいます。)

  • 母犬のストレス。妊娠中の犬のトラウマやストレスは、生まれた子犬のストレスの感じやすさに影響を与える場合があります。

ストレスを感じやすい犬種

特定の犬種によって、ストレスをより感じやすい傾向があるというのは自身の経験により感じています。個人的には、小型犬や愛玩犬、例えばキャバリア キングチャールズ スパニエル、コッカースパニエル、ビションフリーゼなどがあてはまるように思いますし、ボーダーコリーやジャーマンシェパードなどの大型犬もそのように感じることがあります。

ストレスは犬の体と健康にどのように影響するか

ストレスを与える刺激(ストレッサー)に対するストレス反応は、そもそも生きるために必要な反応です。ある状況に陥った際に、次の行動に移るまでの準備を整えているのです。たとえば夜道を一人で歩いているときに、急に何かに出くわした際、体はアドレナリンの放出を引き起こします。驚きと恐怖を感じながらも逃げるのか戦うのか、どちらにも対応できるように準備しています。ただしこのような反応は長く続きません。長期間ストレスを受けていると、ステロイドホルモンの分泌が慢性的に増加します。少量のステロイドは生きるために必要であり、優れた抗炎症剤ですが、ステロイドは生体のさまざまな機能や免疫系に影響を与えます。時間の経過とともにステロイドの過剰分泌が続くことで、代謝系の不調や免疫系の抑制が起こり、さらに進行するとステロイドを分泌する副腎自体の機能が低下します。

最近の研究では、腸、脳、免疫系の間には非常に重要な関連があることが示されています。動物が不安や抑鬱といったストレスにさらされると、腸は体内で真っ先に反応します。そのため嘔吐や下痢、お腹のガスなど、あらゆる消化器トラブルを引き起こす可能性があり、そのどれもが犬にとっても飼い主にとっても不快なものです。

長期間ストレスにさらされると、上記のステロイドホルモンの過剰分泌により、元気がなくなったり、毛艶が悪くなる、皮膚のトラブル、食欲不振、感染しやすくなる、などの体調不良を起こす可能性があります。

犬のストレスを減らすためにできること

もし可能ならば、犬を迎い入れる際には、整った環境で愛情深く育てられた犬を選ぶ、あるいは性格が穏やかな母犬の子犬を選びましょう。こういった犬たちは社交的でよく慣れやすく、成長後にバランスの取れた性質になる可能性が高くなります。

犬の背景がわからず飼い始めて、性格的にストレスを感じやすい傾向がある場合には、獣医師にその旨相談しましょう。状況に応じて、フェロモンディフューザーやサプリメント、あるいは医薬品を提案されるかもしれません。問題行動の程度によっては、犬の行動学の専門医、あるいは信頼できるトレーナーを紹介してもらいましょう。

さらに、ストレスからくる犬の消化器症状の管理に役立つドッグフードもあります。こういったフードは消化しやすく、必要な栄養素がバランスよく含まれているほか、ストレスに配慮し腸の健康維持に役立つ成分が加えられています。

いかがでしたか。人間もそうですが、ストレスの感じ方は性格によるところもあります。犬もいろいろと性格があるため、それを理解した上で接することも大切なことです。犬のストレスについて、思い当たることがあったり疑問があれば、獣医師に相談してください。お互いにストレスはためずに楽しく過ごしましょう!

監修:ハイン・マイヤー博士(DVM、PhD、Dipl-ECVIM-CA)