
猫の体重チェックのすすめ-猫が痩せる理由とは
ペットに最適なフードを見つけましょう。
ペットに最適なフードを見つけましょう。
ペットに最適なフードを見つけましょう。
人でも猫でも一般的に、体重チェックというと体重が増えてしまうことに注目が行きがちですが、その反対にとくに減量などをしているわけではないのに体重が落ちてしまう、いわゆる原因不明の体重減少は、何らかの病気の徴候である可能性もあり、非常に重要です。たかが体重・・・ではないのです。
体重モニタリングの重要性
体重測定は自宅でできるもっともシンプルでわかりやすい健康チェックの方法です。はっきりとした数値で体重の増加や減少を判断できるため、その変化にいち早く気づくことができます。猫は具合の悪さを隠すのが上手なので、体調不良の徴候に飼い主さんが気づくまでに実は病気がかなり進行してしまっている、ということもあり得ます。定期的に体重のモニタリングをしていれば、その変化に早い段階で気づくことができ、その分早く対処することができます。
その理由が、単に新しいフードが気に入らず、体重が減った(あるいはその逆の理由で増えた)ということで、とくに病的な問題がなかったとしても、その体重の増減そのものが猫の健康に影響を及ぼすこともあります。
無理なく体重測定を習慣化できるように、小さいときから慣らしておきましょう。もちろん、動物病院でも体重測定をしてもらえます。動物病院に慣れるという意味でも、定期的に体重測定のために動物病院に立ち寄ってもいいかもしれませんね。
自宅での体重測定の方法にはいくつかありますが、おっとりタイプの猫さんなら、体重計に乗せるだけで測れます。もしくは、なにかカゴのようなものに入れて重さを測り、あとからカゴの重量を差し引いてもよいでしょう。抱かれるのが平気なら、抱っこしたまま体重計に乗り、自分の体重を差し引くという方法もあります。いずれにしても、これをお決まりのルーティーンにしておけば、猫も特段嫌がるということはないはずです。体重測定の頻度としては、子猫の間は2週間ごと、成猫になったら1か月ごとが適当でしょう。
猫の体重減少の原因
猫の体重が減少する原因は複数あります。猫でよく知られているケースを紹介します。
腎臓病:高齢の猫に多い病気です。その最も早期の徴候の一つに体重減少があります。普段より多く水を飲んでいることや食欲がイマイチであまり食べていないことで飼い主さんが気づくこともあります。
寄生虫:最近では大量の寄生虫がいることは珍しいとはいえ、それでも寄生虫が体重減少の潜在的な原因になっているケースもあります。寄生虫の診断がなされたら、猫の年齢やライフスタイルに合わせた寄生虫予防策を獣医師と相談しましょう。屋外に出て狩りをしてくる場合には、より頻繁な投薬が必要ですし、根本的に飼育方法を見直す必要があるかもしれません。
甲状腺機能亢進症:これは中年以上の猫に多い病気で、甲状腺ホルモンが過剰になることで代謝が高まります。猫は異常なほどよく食べるにもかかわらず、体重は減っていきます。甲状腺機能亢進症の猫は異常に活発なことが多く、攻撃的になることもあります。
がん:痛みなどの明らかな症状がなく、見つけるのが難しいケースが多くあります。体重減少は最も一般的な最初の徴候であり、飼い主さんが気づける唯一の徴候かもしれません。
胃腸障害:慢性腸症や食物有害反応などの消化器疾患は、猫が食物から必要な栄養素を十分に取り入れられないため、体重減少を引き起こす可能性があります。
糖尿病:肥満は糖尿病の重要なリスク因子として知られていますが、一方で糖尿病になってしまった後は、体重減少が最も一般的な徴候の一つとなります。
歯と口の痛み:実は思っている以上に猫の歯科疾患は存在しています。口の中や歯茎に痛みがある猫は、だんだん食べなくなって体重が減ってしまいます。
ストレス:同居猫と折り合いが悪い、など常に居心地が悪く解消されないストレスが続くと、食欲に影響し食事量が減ってしまうケースがあります。
猫の体重の把握の重要性がご理解いただけたでしょうか。正常時の体重を知っていれば、その変化に早く気づき、適切な対処をすることができます。意図しない体重減少に気付いたら、すぐに動物病院を受診するようにしてください。獣医師は状況に応じて血液検査や尿検査など必要な検査を行うこともあります。体重も含め、普段から猫ちゃんの様子をよく観察するようにしてくださいね。
監修:ハイン・マイヤー博士(DVM、PhD、Dipl-ECVIM-CA)