猫の誤飲に注意

執筆: クリスティーン・オブライエン
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ペットに最適なフードを見つけましょう。

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犬ほど起こることは少ないかもしれませんが、猫でも誤飲事故はあります。ひもなどのおもちゃや布などの異物のほか、食べ物でもタイミングによっては喉に詰まってしまうことがあるかもしれません。不測の事態に備えて、救急でも診察してもらえる病院を事前に調べておくと同時に、その場でできる対処方法について知っておきましょう。

Close-up of cat getting ready to cough up hairball.

飼い主が知っておきたい対処方法

猫は定期的に毛玉を吐き出しますが、喉を詰まらせる事故は毛玉よりもむしろ毛玉以外の物(食べ物、ヘアゴム、プラスチック製のおもちゃ)のケースのほうが多いのです。喉にひっかかっているような様子に気づいたら、次の手順を行います。

  1. 口の中を探ってみる: まず、猫の顎を持ってそっと開け、人差し指で口の中を探って異物を取り除けるか試してみます。Cat-World Australia*¹は、詰まっている物をそれ以上喉の奥に押し込んでしまわないようにするために、異物を確認しながら口の中をよく見て、舌を優しく前に引っ張るようにして喉の奥を見るようアドバイスしています。口の中に何も確認できない場合や、口の中を安全に触ることができない場合は、別の方法を試すようにします。
  2. 猫のハイムリック法(腹部突き上げ法): これは腹部に内圧をかけて異物を吐き出させる方法のひとつです。猫にハイムリック法を行う場合は、まず猫の背中を実施者の胸に当てるようにして抱き、脚をぶらんとさせます。両手で優しく、しかししっかりと猫の腹部を連続で約5回、上方に突き上げるように素早く圧迫します。それでも異物を取り除けない場合、PetCoachでは、猫のお尻を掴んで頭が下になるようにして持ち上げ、もう一度口の中を優しく探りつつ、背中を強めに叩く方法を紹介しています。その後再度口の中をチェックします。これで異物を取り除けたとしても、どこかを傷つけている可能性もあるため、必ず動物病院を受診しましょう。

誤飲事故を起こさないために

なんといってもリスクのあるものを猫のいるところには置かない、ということです。猫が好みそうな小さくてキラキラと光るものには注意です。猫の誤飲事故でよくあるものには次のようなものがあります:

  • 手芸用品や毛糸
  • ヘアゴムや洋服のヒモ
  • ペーパークリップやホチキスの芯
  • ビニール袋やセロハン
  • スポンジなど
  • 小さなアクセサリー類
  • アルミホイル

猫は一般的に好奇心が強い動物です。飼い主さんの留守中には家中を探検するでしょう。ですから、危険なものはペットの手が届かない場所に片づけるようにします。とくに丸めたアルミホイルやビニール袋は喜ぶ猫ちゃんもいるかもしれませんが、本当に飲み込んでしまう事例があるためやめておきましょう。

Calico kitten playing with toy.

猫用のおもちゃで安全に遊ぶ

小さなパーツがついているものはなるべく避けて、ボールやおもちゃのネズミなど、猫が飲み込めない大きさのおもちゃを選ぶようにしましょう。よくあるポピュラーな釣り竿タイプのおもちゃで遊ぶのは問題ありませんが、遊び終わったら猫の手の届かない場所に片づけましょう。

昔からのイメージ通り、猫は毛糸のようなヒモは大好きです。喜んで遊ぶ姿はかわいいのですが、このようなヒモやリボンで遊ばせることは決して勧められません。アニマルプラネットは、「万一、猫の口元やお尻からヒモが出ているのを見つけたら、絶対にひっぱらないように」、と注意しています。誤って喉や腸を傷つける危険性があるからです。猫がヒモを飲み込んでしまった疑いがある場合には緊急事態ですから、すぐに動物病院に連絡しましょう。

毛玉(毛球症)も甘く見ないで

猫は自分で毛づくろいをするので、多かれ少なかれ毛を飲み込みます。ある程度たまってくると吐き出しますが、その時々によって吐く頻度が増えたりすることもあります。生理的な現象とはいっても、何度も吐くことは猫にとって負担ですし、不快でもあるでしょう。中には吐ききれないほど消化管に毛玉がたまってしまうケースもあり、その場合には外科的な処置が必要になるかもしれません。もし猫が毛玉を1週間に1度以上の頻度で吐き出すようなら、獣医師に相談し食物繊維を含むヘアボールコントロールのフードを利用するなどの毛玉対策を始めましょう。

Cornell Feline Health Center*²によると、頻繁に吐く場合はなんらかの胃腸障害や、喘息などの呼吸器疾患のサインである場合もあります。毛玉のせいだと決めつけず、いつもと様子が異なる場合には動物病院に相談しましょう。

参照先:
*1 https://www.cat-world.com.au/heimlich-maneuver-in-cats.html
*2 https://www.vet.cornell.edu/departments-centers-and-institutes/cornell-feline-health-center/health-information/feline-health-topics/danger-hairballs

Author

Christine O'Brien

クリスティーン・オブライエン

クリスティーン・ブロヴェリ・オブライエン博士は、キャットライター協会(CWA)の専門会員でSTEAM講師でもある愛猫家です。InstagramやX(旧Twitter、@brovelliobrien)でもフォローすることができます。