
猫が前足を交互に動かして、毛布やクッション、飼い主のお腹や膝の上を押すようにする行動は、「ふみふみ」と呼ばれています。
猫がふみふみするのは、子猫時代の本能行動の名残りと言われています。リラックスしているときや、安心しているときに多く見られるとされていますが、マーキングや寝床づくりの行動としてふみふみすることもあります。
多くの場合、ふみふみは自然な行動です。ただし、急にふみふみをしなくなったり、噛む力が強い、よだれが増えた、食欲や排便に変化があるなど、いつもと違う様子が見られたりする場合は、受診が必要な可能性もあります。状態をよく観察し、受診時に正確に情報を伝えられるように記録しておきましょう。
この記事では、猫がふみふみするのはなぜなのか、注意したいケース、対処法を解説します。

猫がふみふみする理由は、子猫時代の行動の名残りであり、リラックス、ストレスを落ち着かせる働き、マーキング、寝床づくりなどが関係していると考えられています。
自分の気に入った場所や同じ場所でふみふみすることが多いため、飼い主にとっては「やめてほしい」「場所を変えてほしい」といった困った行動に映ることもあるかもしれません。しかし、この行動は多くの猫に見られる自然なものなので、飼い主の理解も必要です。
ふみふみする理由は、猫の個性や環境によってさまざまですが、ここではよく見られる理由を4つのポイントで紹介します。
猫のふみふみは、子猫時代に母猫のお乳を飲むときの行動の名残りといわれています。
子猫は母乳を飲むとき、お乳がよく出るように、前足で母猫のお腹を押すように動かします。ふみふみは、この動きが成猫になってからも残っているものと考えられます。
成猫になってからのふみふみは、子猫のころに感じていた安心感と結びついた行動とされており、やわらかい毛布や布団、飼い主の体の上など、ぬくもりややわらかさを感じる場所で見られることも多いです。
猫がふみふみするときは、リラックスしている状態であることも多いです。毛布やクッション、ベッドの上などの安心できる環境で、喉を鳴らしながら前足を交互に動かしている姿がよく見られます。
人間のベッドの上や、飼い主の上に乗ってふみふみするのも、その場所が猫にとって安心できる場所だからです。
猫は、自分のにおいをつけるマーキング行動としてふみふみすることがあります。猫の足にはにおいを出す腺があり、前足で押すことで、ふみふみした場所ににおいを残しているのです。
マーキングとしてのふみふみには、自分の縄張りをアピールするほか、慣れた場所でリラックスする効果もあります。
猫が眠る前に毛布やベッドをふみふみしている場合は、本能的に休む場所を整えていると考えられます。やわらかい場所を前足で押し、そこに丸くなって休む猫も少なくありません。
寝床づくりとしてのふみふみは、毛布、布団、ベッド、クッションなどで見られますが、飼い主の膝やお腹の上でふみふみしてから眠る猫もいます。
眠る前に猫がふみふみしている場合、猫が落ち着いており、食欲や元気、排便に変化がなければ、正常なふみふみで自然な行動と考えてよいでしょう。いつもと違うよだれ、嘔吐、下痢、食欲の低下といった症状が見られる場合は、体調に変化がないかを観察し、早めに受診することをおすすめします。
猫がお腹や膝の上でふみふみする行動には、飼い主の体温や体のやわらかさ、落ち着ける場所を求める気持ちがあると考えられています。
ふみふみは、猫が落ち着いているときに見られることが多い行動です。喉を鳴らす、体を預ける、眠る前に毛布を押す、少量のよだれを垂らすなど、ふみふみと一緒に出る様子は猫によって異なります。猫がふみふみするのはなぜなのかを知りたい場合は、場所、タイミング、猫の表情や体調の変化をよく観察してみましょう。
**体温を感じながら休みたい:**猫は暖かい場所を好みます。飼い主の膝やお腹は体温が伝わるため、猫がくつろぐ場所として選ぶことがあります。体温が猫に安心感を与えているのです。
**落ち着ける場所を探している:**猫は毛布や枕、クッションのように、体を預けられる場所を選びます。膝やお腹の上でふみふみするのは、落ち着いて眠れる場所を探している動きとも考えられます。
**子猫時代の本能行動が残っている:**子猫は母猫のお腹を前足で押し、母乳を飲みます。成猫になってからも、飼い主の体の上で同じように前足を動かす猫がいます。本能的な行動なので、体の上に乗るのをやめさせるのは難しいことも多いです。
**自分のにおいを残している:**猫の肉球にはにおいを出す腺があります。ふみふみによって、膝やお腹の上に自分のにおいを残し、飼い主を自分のものだとアピールしている場合があります。
**飼い主に相手をしてほしい:**飼い主の注目を集めるために、飼い主の上に乗ってふみふみする猫もいます。母猫の気を引くための行動が残っているとも考えられています。
猫が飼い主の体の上でふみふみすること自体に問題はありませんが、爪が当たって痛いといった困りごとを抱えている家庭もあるかもしれません。その場合は、叱るよりも、好きなだけふみふみできる環境にしてあげるのがよいでしょう。
たとえば、痛くないように厚手の毛布やクッションをはさんだり、猫用ベッドやクッションへそっと移したりするのもおすすめです。
ふみふみをしているときに毛布や服を噛んだり、よだれを垂らしたりする猫もいます。リラックスして落ち着いていることもありますが、体調不良が隠れていることもあるのでよく観察しましょう。
ふみふみしながら毛布や服を噛む行動は、子猫のころの本能行動の名残りと考えられます。落ち着いている様子であれば、子猫が母猫のお腹を前足で押し、母乳を飲んでいたころの動きと見てよいでしょう。
また、毛布などに体を預けてふみふみしながらよだれを垂らしているときも、リラックスしている状態と考えられます。体調の変化などが見られない場合は、自然な行動ととらえてよいでしょう。
「正常なふみふみ」と「心配なふみふみ」には、以下のような違いがあります。
正常なふみふみ
毛布や布団の上で落ち着いて前足を動かしている
喉を鳴らしている
少量のよだれだけで、食欲や元気に変化がない
ふみふみの後にそのまま眠る
心配なふみふみ
急にふみふみの様子が変わった
噛む力が強くなった
よだれが急に増えた
食欲や元気がない
嘔吐や下痢がある
触られるのを嫌がる
子猫は生後1年以内にワクチン接種のために複数回の通院が必要になる場合があります。成猫は一般的に年に1回の検診が効果的ですが、高齢猫や特別なケアが必要な猫はより頻繁な検診が必要になる場合があります。
ふみふみは多くの猫で見られる行動ですが、中にはふみふみをしない猫もいます。また、さまざまな理由でふみふみしなくなることもあります。
猫がふみふみをやめるのは、成長にともなう自然な変化や、毛布やベッドなどの環境が変わったための変化のこともあります。そのような理由がある場合は、特に心配する必要がないケースも多いでしょう。
しかし、中には心配すべきケースもあります。もし、ふみふみをやめたこと以外に以下のような変化が見られる場合は、体の不調や痛みが隠れている可能性があるのでよく観察しましょう。
食欲や元気がない
歩き方が変わった
触られるのを嫌がる
また、よだれが急に増えた場合には、口の中の病気、吐き気、痛みなどが原因でふみふみしなくなっていることも考えられます。気になる点がある場合は、動物病院で受診することも検討しましょう。
体調がよくないように見える場合は、獣医師に様子を正しく伝えられるよう、体調の変化を細かく記録しておくことをおすすめします。特徴のある行動をとっているときは、動画を撮っておくのもよいでしょう。
猫の体調に気になる点がある場合は、以下の記事も参考にしてください。
▶︎ 猫の敏感なお腹のケア
https://www.hills.co.jp/cat-care/healthcare/cat-sensitive-stomach
▶︎ 猫の大腸炎
https://www.hills.co.jp/cat-care/healthcare/colitis-in-cats
▶︎ 猫の胃腸炎
https://www.hills.co.jp/cat-care/healthcare/gastroenteritis-in-cats
▶︎ 猫の下痢の原因と対処法
https://www.hills.co.jp/cat-care/healthcare/cat-diarrhea-causes-and-treatment
猫のふみふみに困っているときは、叱ったり無理にやめさせたりするよりも、猫がふみふみしても飼い主が困らないように対処するのがおすすめです。
**爪が当たって痛い場合:**飼い主の上に乗った猫の爪が痛いときは、厚手の毛布やクッションをはさむと爪が当たりにくくなります。
**人間のベッドでふみふみさせたくない場合:**猫用ベッドや毛布を近くに置き、人間のベッドではなく、別の場所で休めるようにしましょう。
**布団や服が傷む場合:**傷めたくない布は片付け、ふみふみ用の毛布やクッションを用意します。
猫のふみふみは本能的な行動なので、無理にやめさせようとするとストレスになることがあります。ふみふみをしても飼い主が困らないように環境を整えましょう。
ここからは、猫のふみふみに関してよくある質問や回答を紹介します。
Q1: 猫がふみふみするのはなぜですか?
A: ふみふみは子猫時代に母猫のお乳を飲む際の行動の名残りです。成猫になっても、安心感やリラックスを感じたときにこの行動が現れます。飼い主との信頼関係の表れでもあります。
Q2: 猫がお腹の上でふみふみするのは何の意味がありますか?
A: 飼い主のお腹の上でふみふみするのは、最大級の信頼と愛情表現です。母猫のお腹の上で行っていた行動と同じで、あなたを母猫のように安全な存在と感じている証拠です。
Q3: 猫がふみふみしながら噛むのは問題ですか?
A: ふみふみしながら軽く噛むのは「愛情噛み」と呼ばれ、興奮や愛情表現の一種です。通常は問題ありませんが、強く噛む場合はそっと猫を降ろして落ち着かせましょう。
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