1頭の盲導犬に導かれて
1930年代末、盲目の青年モーリス・フランクは、米国の慈善団体シーイング・アイ* が訓練する盲導犬を普及させるために、彼自身の盲導犬、ジャーマン・シェパードのバディとともに全国を巡っていました。その時、バディーは腎機能障害を患い、フランク青年はマーク・モーリス・シニア博士に助けを求めました。モーリス博士は、バディの疾患が栄養失調によるものと確信し、妻のルイーズ・モーリスと共に、自宅の台所で新しいペットフードを開発しました。ルイーズは、モーリス家の地下室で3人の女性とそのペットフードを作り続け、ボール*・ジャーに詰めていきました。ラリタン給餌食Bは、ヒルズのプリスクリプション・ダイエット™<犬用> k/d™(ケイディー)の先駆けとなるもので、腎機能が損なわれていたり、低下している犬のために開発されました。
バディーと全米を回っているフランク青年に、モーリス博士はそのペットフードを発送しました。しかし、ジャーは輸送中にたびたび壊れてしまいました。青年は何千個もの缶と手動の缶詰装置をモーリス博士のもとに送り、モーリス博士のスタッフがフードの缶に詰める作業を始めました。
*シーイング・アイ(Seeing Eye)は、シーイング・アイ・インクの米国における登録商標です。ボール(Ball)は、ボール・コーポレーションの米国における登録商標です。
新たなパートナーシップ
1948年、モーリス博士は、犬用k/dという新たな名前のペットフードを缶詰にするため、カンザス州トピカにあるヒル・パッキング・カンパニーのバートン・ヒルと契約を交わし、博士の製法でペットフードを製造するライセンスを与えました。
その後、モーリス博士とヒル・パッキング・カンパニーとのパートナーシップによって、ヒルズペットニュートリションが設立されました。そこで、研究、改善を重ねて生まれたのが特別療法食「プリスクリプション・ダイエット」です。モーリス博士は1951年、トピカに研究所を設立しましたが、その時点で犬と猫を対象に4種類のプリスクリプション・ダイエットが販売されていました。
モーリス博士の息子、マーク・モーリス・ジュニア博士はヒルズペットニュートリションのその後数十年間にわたる成長に貢献しました。博士は、研究のためには常に同じ内容の、高品質のペットフードが必要であることに気づきました。博士は健康なペットのためのペットフードを開発し、1968年、その製品ラインは獣医学者と専門家の手によって、ヒルズのサイエンス・ダイエット™として発売されました。この製品ラインは拡充を続け、現在ではさまざまなライフステージと健康ニーズのために調製された50種を超えるペットフードが製品化されています。

ヒルズの今
1976年、コルゲート・パルモリブ・カンパニーがヒルズペットニュートリションを買収しました。今日、ヒルズのペットフードは世界86か国で販売されています。1999年には売上高10億ドルに達し、毎年成長を続けています。世界中の獣医師が、他のブランドのペットフードよりもヒルズの製品を推薦し、自身のペットにも与えています。
カンザス州トピカにあるヒルズ・グローバル・ペットニュートリションセンターでは、獣医師や栄養学者が、ペットの世話をするスタッフとともに、栄養豊富でおいしいペットフードの開発に取り組んでいます。ペットには、清潔で広々とした居住空間や運動場、障害物のコースのほか、ペットごとに専属チームが割り当てられ、ペットと飼い主のように強い信頼関係を築いています。世界トップクラスのこの施設には、アメリカ動物病院協会(American Animal Hospital Association, AAHA)が認定する小動物を扱う獣医科医院が従うべき最高度の基準に準拠し、充実した設備を誇る獣医科病院が備わっています。
ヒルズペットニュートリションでは、1939年に一人の非凡な獣医師が始めたケアへの精神と理念が引き継がれています。ヒルズのペットフード、プリスクリプション・ダイエット™、サイエンス・ダイエット™、そしてサイエンス・ダイエット <プロ>は、高品質のペットニュートリションを提供します。