
猫の消化器トラブルを防ぐためにできること
ペットに最適なフードを見つけましょう。
ペットに最適なフードを見つけましょう。
ペットに最適なフードを見つけましょう。
嘔吐や下痢といった消化器症状は、犬や猫では比較的よく見られる一般的な症状です。それでも調子の悪いそうな姿を見るのはとても心配になりますし、飼い主さんとしてはできればそのようにならないようにしたい、と思うのは当然のことでしょう。今回は猫の食性や採食パターンなど、猫ならではの特徴を解説していきます。猫の特性を理解した上で、できるだけ消化器のトラブルが起きないようにするための食事の与え方や注意点などを学びましょう。
猫の食性の特徴とは
現在の猫はイエネコという種で、元々は砂漠地帯に生息していた野生の猫から進化したものと考えられています。犬とは異なり集団で行動することはせず、基本的には単独行動を好みます。単独で狩りをするため、自分よりも小さな獲物しか捕まえられないので1日に何度も狩りをしなければなりません。それで、猫は通常1日に10~20回、少量ずつ食事を摂るという性質が今も残っているとされています。また、猫は厳格な肉食動物ですが、それは栄養素の代謝が多様化している犬と違って、代謝機能が限定されているということです。言い換えると、動物性たんぱく質にしか含まれていない一部のアミノ酸などの必須栄養素を、自分で合成することができない、要は必ず動物性のたんぱく質を摂取しないと栄養不足になってしまう、ということです。
猫の消化器トラブルを防ぐためにできること:食事内容、与え方、ストレスについて
猫に与える食事
基本的に、猫に必要なのはキャットフードです!当然のことながら、キャットフードは猫の栄養学的特徴を考慮して設計されているからです。ドッグフードでは、一般的に猫の栄養ニーズを完全には満たすことはできないと考えられます。獣医師からの特別な指示が無い限り、猫には必ず、そのライフステージに適した完全でバランスの取れた総合栄養食を与えるようにしてください。これは、子猫には子猫用フード、成猫には成猫用フード、そして高齢猫には高齢猫用フードを与えるということです。避妊・去勢手術後の猫や室内でゆったり過ごす行動パターンの猫の場合、より活発に屋外で活動する猫よりもカロリーが低めのフードを選ぶ必要があるかもしれません。
現在の愛猫の体重が適正かどうかを獣医師に尋ね、状況にふさわしい食事を選ぶようにしましょう。
消化器トラブルを起こしたことがなければ、良質な総合栄養食のキャットフードを、猫の好みで選んであげるとよいでしょう。消化器のトラブルを起こしやすい場合は、その内容に応じた療法食を獣医師から推奨してもらいましょう。一般的に消化器用療法食には、消化がよりしやすい、プレバイオティクス配合、食物繊維の適切なブレンドなどの配慮がなされています。
なお、消化器トラブルに限ったことではありませんが、できれば愛猫には、ウェットフードもドライフードも両方与えるようにしてください。猫は食事にこだわりが強くなりやすいので、いろいろな食感に慣れてもらうという意味で、初めから色々なものを与えるほうが後々役に立つからです。何らかの事情で、特定のキャットフードを与えなければならなくなったとしても、猫がその変化を受け入れてくれる可能性が高まります。ウェットフードは、十分な水分摂取量を確保するのにも最適です。
猫の食事の与え方
少量で頻回な猫の食事パターンが、もともとの狩猟スタイルからの名残りであることはお伝えしましたが、実際に腸の長さも犬より短いことからも、食事はまとめて食べるよりも少しずつ食べる方が負担が少ないでしょう。1日量を4~6回程度に分けて与えるのが理想です。そうすることで、食事への関心と満腹感も維持しやすくなります。
そうはいっても、一日中在宅するのは難しい、という方も多いでしょう。そんなときは食事を分割して与えることができるタイマー式の自動給与装置が非常に便利です。また、猫は昼夜を問わず活動する傾向があるため、夜間に食事を与えるように給与装置をプログラムすることもできます。猫にとっては人間の都合に振り回されずにすみますし、人間の方も猫の食事に関して気を揉まずにすみますね。
猫のストレスについて
猫にもストレスがきっかけとなって起きているのでは?と思わざる得ないような胃腸のトラブルが起きることがあります。猫にとってのストレスとは、同居猫との関係、来客、家族構成の変化(子どもが増えるなど)、引っ越しなど、がよく挙げられます。猫をよく観察して、ストレスとなりうる原因とその対策について獣医師と相談してください。
猫に必要なたんぱく質について
完全な肉食動物である猫は、犬などのほかの動物と比べると必要なたんぱく質量は多いです。そのため、食事には最低限必要とされる以上のたんぱく質が含まれていることが必須です。一方で、食事中の過剰なたんぱく質は潜在性の腎疾患を助長する可能性があるため、各ライフステージに合わせて過不足なく与えることが重要です。
猫には猫の特性があることをご理解いただけたでしょうか。何か不安なことやわからないことは、動物病院で気軽に尋ねてみてくださいね。
監修:ハイン・マイヤー博士(DVM、PhD、Dipl-ECVIM-CA)