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犬と猫を両方飼われている飼い主さんにとって、犬と猫の食事の時間はそれぞれのフードの準備に追われながらも、しっかり監視しなければならず、気が抜けない…、という方も多いかもしれませんね。では、そもそも犬と猫がそれぞれのフードを食べてしまったら、どんな問題があるのでしょうか。もちろんたまたまそのようなことがあっても、特に大きな問題はありませんが、日常的になっている、というのであれば、それはよいことではありません。
今回は、犬と猫が互いの食事をシェアすることの問題点と、そのようにしないための対策について解説していきます。
犬猫それぞれの食事を準備するのは手間のかかることです。いっそのこと、大きな食器に1種類のペットフードをなみなみ注いで、犬も猫も全員同じものを1日中好きなだけ食べてもらってよいのであれば、どんなに楽でしょう。でも、これがお勧めできないのには理由があります。まず一番の理由は、それぞれの犬と猫がどれだけ食事を食べられているかまったくわからないことです。食べすぎも問題ですが、食べられていない場合はもっと問題です。
また、一頭ずつ別々に食事を与えていても、実は隠れて犬が猫の食事を盗み食いしている、というケースもあるかもしれません。この場合は、言うまでもなく1日分のカロリー摂取量が多くなり、肥満や肥満に関連する疾患のリスクが高まります。そして今回の本題ですが、犬がキャットフードを主食にした場合、犬の健康維持に必要なたんぱく質や食物繊維等の栄養素を適切なバランスで摂取することができず、そのために消化器系のトラブルを起こしたり、肝臓や腎臓、膵臓等に負担がかかったりする可能性もあります。要は、犬がキャットフードを主食にした場合、カロリーや栄養素の過剰による問題が起こりやすくなります。一方で、猫がドッグフードを盗み食いしている場合も、栄養がアンバランスになる、という点では同じです。完全なる肉食動物である猫は、タウリンやアラキドン酸(脂肪酸の一種)などの栄養素を必要とします。これらは犬にとっては必須ではないため、ドッグフードには十分含まれていません。そのため、猫がドッグフードを主食として食べ続けた場合、栄養素の欠乏を起こしやすい、と言えます。
さらに、療法食についても注意する必要があります。療法食は特定の疾患の管理を目的として作られているため、特定の栄養素の含有量が通常の総合栄養食とは異なっています(高い場合も低い場合もあります)。そのため、療法食を必要とする犬や猫だけが食べるように注意する必要があります。同居動物がいる場合には、あらかじめ獣医師に、食べてしまった場合の注意点などを確認しておきましょう。
このように、犬と猫では生物学的に異なっていて食性も異なるため、それぞれに必要な栄養バランスも異なります。ペットフードメーカーでは、ペットフードの設計にあたって、まずペットの生物学を考慮した上で、ライフステージや健康状態、特定の食物アレルギー、犬種や猫種の一般的なサイズや運動量など多数の因子について考慮してから、特定の犬または猫に合った食事を設計しています。
食事の栄養バランスは、犬や猫の健康に大きな影響を及ぼす可能性があるため、とても重要です。もちろん、少し食べてしまったくらいなら問題はありませんが、犬と猫がお互いにフードをシェアすることはできる限り防ぐ必要があります。
犬や猫が自分用以外の食事を食べないようにするために、常に注意するように意識することと、ちょっとした工夫が必要です。タフツ大学カミングス動物メディカルセンター* では、自分の食事だけに集中させるためのコツを次のように紹介しています。
このような方法を試すのと合わせて、獣医師やドッグトレーナーにも、相談してみましょう。それぞれのペットには性格や行動のクセがあるので、それに合った方法をアドバイスしてくれる可能性もあります。
繰り返しになりますが、犬には犬の、猫には猫の食性があり、健康を維持するための栄養バランスが異なります。そのため、それぞれに合った食事を準備し、それを食べてもらうことが必要です。愛犬や愛猫に適切なフードの選び方が分からない、という場合は、かかりつけの獣医師と現在の健康状態、年齢および栄養学的ニーズについて相談してみてください。犬や猫の好みも併せて考慮してあげることで、食事の時間がペット達にとって楽しく幸せな時間になることでしょう。
参照先:
https://vet.tufts.edu/foster-hospital-small-animals/specialty-services/nutrition
アンジェラ・ターグ
アンジェラ・ターグは、アメリカ中西部に暮らすペットのママでありライターです。複数のライフスタイルブランドやテクノロジーブランドのためにフルタイムで執筆活動をする傍ら、暇を見つけて愛犬とネイチャートレイルを楽しんだり、ヨガワークショップに参加したりしています。TwitterとLinkedInの@AngelaTagueもご覧ください。