小型犬になったつもりで考えてみましょう

ご存知のように、犬には同じ動物の種類とは思えないほど大きさも見た目も全然違う、バラエティーに富んだ多くの種類があります。ここでは、一般に体重21ポンド(約9.5 kg)以下の小型犬種について、考えていきたいと思います。彼らのことを改めて考えてみることで、小型犬について理解を深め、もっともっと犬との生活が豊かで楽しいものになるようしていきましょう。

  • 小型犬の立場になってこの低い位置から周り見ると、いろいろな物がちょっと怖く見えたりしませんか?人や家庭にあるものが頭上に高くそびえ立っていたとしたら、少し圧倒されてしまうのではないでしょうか。たとえば自分の身体よりも大きな掃除機を想像してみてください。ワンちゃんの感情が少し共有できるかもしれませんね。
  • 犬の主な休息場所や遊び場所から水飲みボウルなどの生活必需品まで、どのくらい離れていますか?水を飲みたいと思った時にすぐに行けるくらいの距離でしょうか?それとも、ちょっと億劫になってしまうくらい離れているでしょうか?
  • 愛犬がベッドやソファーに向かって全力でジャンプしたりしていませんか?本当は踏み台やスロープがあったほうが足腰に負担が少なくて上りやすいのではないでしょうか。

小型犬:姿形も大きさもさまざま

小型犬種といっても、ケネルクラブの様々なグループに属する犬種が含まれていて、非常に多様な形態が揃っています。 コンパクトながらも、がっしりとした体つきが特徴的な犬種には、ジャック・ラッセル・テリア、ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアなどのテリア種や、AKC(アメリカンケネルクラブ)ではノンスポーティンググループに属するフレンチ・ブルドッグがいます。

それに対して、華奢な体つきが特徴的なイタリアン・グレーハウンド、チワワなどは、敏感で繊細な気質をもつ犬種といわれ、優しく、そして注意深い取り扱いが必要になります。

また、胴長で短足の象徴的なスタイルをもつダックスフンド、幅広く丸い頭部をもつ狆、無毛のチャイニーズ・クレステッドのように、非常にユニークな特徴を持った犬種もいます。

そのそれぞれに特徴的な容姿や性質に合わせて、犬にとって必要な身の回りのもの、たとえばフードや飲み水のボウル、リードや首輪、ベッド等を準備するときは、その犬のニーズにあった、素材や大きさ、形を必ず考慮して検討するようにします。また、温度管理についても、犬種によって調整が必要です。

小型犬症候群

小型犬症候群とは、大型の犬種では決して容認されないような望ましくないやんちゃな、または危険な行為のことで、実際に小型犬では許されてしまう状況が非常に多いのも事実です。この種の行為は、初めは恐怖に対する防衛メカニズムの一種として現れるものであることが多いようですが、その後もそれが矯正されず行動として定着してしまったのです。リードを引っ張る、呼ばれても意識を飼い主に向けることをせず逆に逃げる、吠える、咬むといった行為は、体重が2kgのチワワでも50kgのロットワイラーでも等しく悪い行動であるということを飼い主が理解し、犬にもそのように伝えなければなりません。大型犬であろうと小型犬であろうと、正しい社会化としつけのトレーニングは絶対に必要なのです。

さまざまな状況において、適切な行動はどんなものなのかを幼いうちから学んで練習することは、不安や恐怖を必要以上に感じることなく、どんな状況でも落ち着いていられるようになり、望ましくない行為や危険な行為を防ぐことに大いに役立ちます。小さいうちからこういった機会が得られるパピー教室に参加することはとてもよいことですし、「愛犬を解読する(書籍名:Decoding your Dog)」 のような書籍もペットの行動を理解する助けになります。愛犬の行動に困ってしまって助けを求めたいときには、まずは獣医師に相談するようにしてください。獣医師にお勧めのトレーナーや近くのしつけ教室を教えてもらうのもよいことです。

必要な食事量:実は小さいほど多い

小型犬の体重1kg当たりのカロリー必要量は、大型犬とは違います。どういうことかというと、体重1kgあたりの体表面積は小型犬のほうが大型犬よりも大きいので、体温維持のような身体機能へのエネルギー消費速度が、明らかに高めになっています。また、単純に動き回るだけでも、小型犬は大型犬よりも多くのエネルギーを消費します。たとえばラブラドールの場合、1区画歩いて行くのに100歩で済むところ、シー・ズーは同じ距離を進むのに400歩も必要かもしれません。

小型犬は一日に必要な体重1kgあたりのカロリー量が大型犬よりも多いということはご理解いただけたでしょうか。とはいえ、もちろん太り過ぎないように注意することも必要です。大型犬でも小型犬でも、肥満が健康に様々なリスクを与えることは同じです。

小型犬種の子犬でとくに注意すること

小型犬種の子犬たちは、体重1kgあたりに必要なカロリーが大型犬の子犬に比べて多いのにもかかわらず、体が小さく予備のエネルギーを蓄積することができないので、カロリー密度の高い食事をより頻繁に摂取する必要があります。

また、胃の容量も小さいため、1回に与えられる食事の量は限られますから、1日を通じて少量の食事を頻繁に与えなければなりません。最適な給与量については、それまで(子犬が引き渡されるまで)に給与されていた食事量と、フードのラベルを参考にします。食事量には個体差がありますので、子犬の食事についてわからないことがあれば、獣医師に相談しましょう。

どんな犬種の子犬でも体調管理には十分注意してケアをすべきですが、かといって何から何まですべてやってあげて、赤ちゃん扱いするのはよくありません。ぬいぐるみのような小さな子犬に、「だめ!」というような強いことを言うのは心が痛む気持ちはよくわかりますが、それでも人間と暮らすためのマナーを身につけた落ち着いた家庭犬に育てるために、必要な準備なのです。

健康に長生きする

小型犬は、大型犬や超大型犬に比べるとかなり長生きすることが多いようです。マルチーズ、チワワ、ヨークシャー・テリア、ミニチュア・ダックスフンドは、一般的に12年以上生きることが多く、長寿な犬種でよく知られています。また、ミニチュア・プードルとボーダー・テリアの寿命の中央値はほぼ14年で、最高齢は20歳近かったと報告されています。犬の20歳といったら人間に換算して100歳を超える年齢です。確かに崇拝に値することですね!

人間もそうですが、犬も同じように高齢になればその年齢に合わせた健康維持のための配慮やケアが必要になります。定期的に動物病院での健康診断を受けることに加えて、栄養面でも今まで以上に配慮する必要が出てくるでしょう。たとえば、加齢に対する生体への影響に対して、抗酸化物質を普段から多めに与えることはとても有益です。

適切なフードを与える

ヒルズの小型犬用ドッグフードは、小さなワンちゃんでも食べやすく噛みやすい、特別設計の小さめの粒になっています。

そして、優れた複数の抗酸化成分やオメガ-3および6脂肪酸を含み、犬のライフステージに合わせた栄養設計がなされ、さらには犬の好む味という特長をもっています。愛犬が幸せに長生きするために必要なものは、ヒルズのドッグフードですべて確実に摂取することができます。サイエンス・ダイエットとプリスクリプション・ダイエットは、小型犬の健康維持をサポートするドッグフード製品を豊富に取り揃えています。

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スタッフ著者

この記事は私たちのスタッフライターの一人が執筆しました