介助犬とは?介助犬の仕事や犬種、必要な訓練

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・介助犬とは?
介助犬は手や足の不自由な人のために、日常生活動作の介助や緊急時の対応をしてくれる犬のことです。

・介助犬の役割
落とした物を拾う、ドアの開閉、指示された物を持ってくる、履物を脱がせる、冷蔵庫から飲み物を持ってくる、不測の事態が起きた時に人を呼びに行ったり、緊急ボタンを押すといった緊急時の対応などを行います。
介助犬の仕事は、ユーザーの言葉による指示(指示語)により行います。指示語は動詞だけで約60語あります。


・介助犬の犬種
介助犬に向いた犬種は盲導犬と同じくラブラドール・レトリーバー、ゴールデン・レトリーバー、F1(ラブラドール×ゴールデン)等の大型犬です。スタンダード・プードルも介助犬として活動しています。
理由は、
1.落とした物や指示された物を持来する時、口にくわえるため小型犬では難しい。
2.イスを押したり引いたりするので、小型犬では難しい。
3.環境への順応性が高い。
4.人に対する愛着があり、人と一緒に何かをすることを喜ぶ。
5.やさしいイメージで、社会に向け入れやすい。

・介助犬の訓練とは
介助犬の訓練は1歳から2歳迄の1年間。この間に犬の基礎訓練と介助動作訓練、約40日間のユーザーとの合同訓練が行われます。

基礎訓練は、座れ・伏せ・待て等を英語による号令でトレーニングします。

介助動作訓練は、指示語(go to〇〇.take〇〇bringt等)を使った介助動作ができるように訓練をします。介助犬のユーザーとなる肢体不自由者の障害の程度は多岐多様にわたるため、必要となる介助動作もそれぞれ異なります。その為、基本となる介助動作の他ユーザーのニーズに応じた介助動作の訓練を行います。
合同訓練は、訓練センターやユーザーの自宅を中心に生活環境に合わせたトレーニングを約40日間行います。
内容は、ユーザーと犬の信頼関係作り、指示語の出し方の指導、犬の飼育管理、公共場所等での訓練、介助動作訓練などです。

・介助犬の誕生から引退
介助犬に向いた繁殖犬から産まれた仔犬たちは生後2ヶ月までは、母犬や兄弟犬と暮らします。
その後、パピーファミリー(仔犬育成ボランティア)のご家庭で1歳になるまでの10ヶ月間、愛情を一杯に受けながら育てられます。人への愛情や信頼関係を育み、人間社会で生活するルールやマナーを身に付けます。
1歳になると訓練センターに戻り適性評価が行われます。
適性があると判断された犬のみが候補犬となりますが、その割合は3〜4割程度です。
適性評価で合格しない犬達は、育ての親であるパピーファミリーが引き取りペットとして暮らします。
候補犬達は10ヶ月間の基礎訓練と介助動作訓練終了後、いよいよ将来の飼い主(ユーザー)と合同訓練と呼ばれるクラスに参加します。
合同訓練において所定のカリキュラムを終了し、身体障害者補助犬認定審査会に合格して介助犬が誕生します。
介助犬は10歳を過ぎると引退しますので、実働は2歳から10歳までの約8年間です。
引退した介助犬は引退犬ファミリー(引退犬飼育ボランティア)のご家庭で余生を過ごしますが、ユーザーが引き続き引退犬ファミリーとして飼育する場合や、仔犬の時に育ててくれたパピーファミリーに引き取られ余生を過ごす場合があります。


・介助犬との関わり方
介助犬は着用しているマントに「介助犬」の表示が義務付けられています。この表示を付けている時は「仕事中」です。犬を呼んだり話しかけたり、頭を撫でる、おやつをあげる等の行為はしないで下さい。
しかし、介助犬ユーザーが何か困った様子であることが見受けられた場合は、「お手伝いしましょうか?」等のお声掛けをお願い致します。


・介助犬に対するヒルズの取り組み
日本ヒルズ・コルゲートでは、介助犬を含む補助犬の啓発・育成のサポートを行っています。介助犬を育成する日本補助犬協会にフードの無償提供を行っています。
⾼品質なフードを提供することで、健全な補助犬育成の⽀援を続けています。

・日本補助犬協会からの声:補助犬の健康管理の第一歩は、栄養バランスのとれた良質な食事です。ヒルズのフードは犬種・年齢・体質などが考慮されているため、その犬に合う最適なフードを選ぶことができ、犬の健康維持に大変役立っています。

安杖直人

安杖直人

平成5年防衛大学校卒業後、幹部自衛官として陸上自衛隊名寄駐屯地、富士学校等で勤務。

平成13年10月 交通事故で脊髄を損傷し自衛隊を退職。

その後介助犬を飼った縁で、日本補助犬協会に就職し広報担当として補助犬の普及に尽力している。

令和2年から盲導犬ユーザーの青木氏と共に日本ヒルズ・コルゲートの社員として人とペットの共生社会の実現のため活躍している。

〈体験談〉

交通事故によりある日突然障害者となり、下半身が不自由となったため自分の身の回りのことをするだけで精一杯の状況になりました。集まりに参加した時、何かを手伝おうとすると「いいからそこで見ていて」など言われることがあり、大変情けない思いをすることが増えました。 靴下1つ履くのに大変な苦労をしていた自分が介助犬フレザーに服を着せてあげることができたとき凄く嬉しかったのを覚えています。自信を喪失していた自分が犬の世話をできるまでになったのは訓練されている介助犬だからこそ。 ある日両親と3人でテレビを見ている時、大きな雷が鳴りました。雷が大の苦手のブレザーはまっさきに自分の膝に飛び乗ってきました。この時フレザーにとっては自分が一番頼りになる存在だと分かり自信をもらいました。犬は曇りの無いありのままの世界を見る本当に愛おしい存在なのだと思いました。障害を得た当初はどうしても引きこもりがちになったり、生活も不規則になりがちでしたが、犬の世話を見るということは決まった時間に排泄、給餌、散歩等を行う必要があり、自然と規則的な生活ができるようになりました。また車イスで外出する時に人目が気になっていた時期もありましたが、介助犬と一緒だと人目は全て介助犬の方に向くので、気楽に外出できるようになりました。1代目のフレザーが亡くなった後は、2代目のダンテと暮らしています。フレザーは黒ラブ、ダンテはイエロー、フレザーは雷が大の苦手、ダンテは全然平気といった違いはありますが、ダンテの性格や仕草、行動がフレザーに余りにそっくりなのが不思議で一層愛おしいです。

  • <フレザー>
  • <ダンテ>

<フレザー&ダンテ>

ある日、ダンテと満員電車に乗らなければならないことがありましたが、ぎゅうぎゅう詰めの中、周りの人達が自然と私とダンテを囲むようにスペースを作って下さったり、ダンテのしっぽを踏まれないようにまたいで守って下さる方がいたりで、その場全体が温かい雰囲気になりました。現代社会のイライラの象徴のような満員電車の中で、犬1頭の持つ癒やしパワーの凄いこと!!介助犬は私のサポートをしてくれますが、介助犬の日常の世話は自分が見ているので、相互に支え合い、どこに行くにも一緒の存在なのである意味家族以上の存在です。

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