|
[an error occurred while processing this directive]
|
|
 |
| -2006 AUTUMN- |
 |
秋は夏毛から冬毛に生えかわる季節
換毛期を快適に乗りきる!
監修・おはなし:小守忍先生
愛犬・愛猫の抜け毛で悩んでいるという、飼い主さんの声をよく耳にします。カーペットに付いた毛がなかなか取れない、愛猫が毛玉をはき出す姿がかわいそうなど…。
愛犬・愛猫の脱毛はどうして起こるのでしょう。
人は季節に応じて服を替えることができます。夏にはTシャツ一枚で充分でしょうし、冬には暖かなコートも必要ですね。しかし愛犬・愛猫は基本的には一年中裸の状態。暑ければ被毛を落として涼しくなりたいし、寒いときには被毛を蓄えて寒さ対策をするのです。
これが換毛期です。主に春から夏、そして秋から冬にかけて換毛期が訪れます。ちょうど私たちの衣替えと同じですね。
換毛期には被毛や皮膚のケア、それからしっかりとした栄養管理が必要です。今回は愛犬・愛猫の換毛期のサイクルや注意点などを考えてみましょう。
|
 |
| 暖かい季節に寒い冬のための被毛をしっかりつくる |
 |
人の髪の毛は切らずに放っておけばどんどん伸びていきますね。しかしほとんどの犬や猫の場合、一定の長さになると、被毛の成長は止まります。被毛が伸びているときが成長期、そして成長の止まった休止期となります。古い毛が抜けて、新しい毛がはえる時期が換毛期とよばれるのです。
犬や猫にとって被毛は体温を調整するのに不可欠なものですね。被毛は蛋白質でできていますから、成長期には被毛をつくるために、かなりの蛋白質が必要です。特に毛足の長い小型犬などの場合、食事から摂取する蛋白質の30%が、被毛の形成・成長に使われるといわれます。
寒い冬のために被毛を成長させるのは暖かな季節。自然界でいえば、暖かな季節は食べ物も豊富で蛋白源がいっぱいなのです。体温を保つエネルギーもあまり使いませんから、充分な栄養を被毛の成長に使えるわけですね。
冬には体温を保つために多くのエネルギーが使われますから、被毛のために栄養を使う余裕はありません。被毛は休止期となります。
そして冬の間、体温を保ってくれていた被毛を脱ぐのが春から夏にかけてとなります。
しかし最近では室内で飼われる犬や猫も多く、彼らにとっても季節感が希薄になっているのでしょう。換毛期が変わってしまうという場合も多いようです。 |
 |
   |
 |
| 脱毛時期にはこまめなブラッシングで皮膚をケア |
 |
夏前は冬の被毛が抜ける季節です。まとまった抜け毛が目立ちますから、飼い主さんにとっては大変な季節ですね。
犬や猫の被毛はツヤのあるしっかりとした一次毛と、綿毛のような二次毛(アンダーコート)に分けられます。換毛期で抜けるのは主にアンダーコートです。
この時期にはこまめにブラッシングをしてアンダーコートを取ってあげるようにしてください。放っておくと部屋が汚れるばかりか、毛玉となりフェルトのように固まってしまいます。このようになったアンダーコートは膿皮症などの皮膚のトラブルを引き起こす場合もあります。
特に梅雨時は皮膚のトラブルが増える季節。ブラッシングの後、しっかりシャンプーをして、皮膚のコンディションに充分に注意してあげましょう。
脱毛は皮膚炎やアレルギーなどでも起こることがあります。この場合はかゆがったり、皮膚に炎症があったりしますから、生理的な換毛期と見分けることができます。
しかし甲状腺機能低下症などのホルモン性の脱毛の場合はかゆみをともなわず、一次毛まで抜けてしまうということもあります。
室内で飼われているため温度の変化がないことから、換毛期が狂ってしまった場合などは一気に脱毛が起こり、ホルモン性の疾病とまぎらわしいこともあります。愛犬・愛猫の脱毛に異常を感じた場合には、獣医師に相談するようにしましょう。 |
 |
| Point1 脱毛時のケア3ヶ条 |
 |
 |
 |
| 1 |
ブラッシングで抜け毛を丁寧に取り除く |
 |
| 2 |
シャンプーで皮膚を清潔に保つ |
 |
| 3 |
かゆみなどをともなう脱毛は皮膚の疾病かも |
|
|
|
 |
| 冬毛を蓄えるにはバランスのよい栄養をたっぷりと |
 |
秋から冬にかけては、本格的な冬に備えて、被毛をしっかり蓄えなければなりません。新しい被毛が生えるにはじゃまになる古い被毛を脱毛していきますが、夏前の換毛期ほど大量ではありません。
この時期に大切なのは栄養の管理です。新しい被毛をつくるには大量の蛋白質が必要となります。
たとえば寒冷地の戸外で飼われている愛犬などは要注意です。寒い外気の中で体温を保つために基礎代謝が高まっているうえに、被毛を蓄えなければならないのです。
栄養は食事から摂取することになりますが、量ばかりでなく、栄養バランスにも注意が必要です。健康な被毛をつくるうえで大切なのはアミノ酸、必須脂肪酸など。アミノ酸は体内で蛋白質をつくり、被毛の成長に直接的に結びつく栄養素です。
また被毛の成長には皮膚への栄養も不可欠ですね。必須脂肪酸は皮膚のコンディションを整える細胞間脂質をつくります。セラミドに代表される細胞間脂質は、最近では化粧品などにも配合されていますからおなじみですね。
愛犬・愛猫の環境をしっかりと考えて、必要な栄養がバランスよく入ったフードを選んであげるようにしましょう。 |
 |
| Point2 冬を迎える前の栄養管理 |
 |
 |
 |
| 1 |
被毛をつくる蛋白質をしっかりとる |
 |
| 2 |
健康な皮膚には必須脂肪酸も大切 |
 |
| 3 |
愛犬・愛猫の環境に合った栄養バランスを |
|
|
|
 |
| 飲み込んだ毛玉は便といっしょにスムーズに排泄 |
 |
換毛期の愛猫の飼い主さんの悩みで最も多いのは毛玉でしょう。猫は抜けたアンダーコートをなめとって飲み込み、吐いてしまうことが多いのです。かわいそうですし、部屋も汚れてしまいます。そればかりではなく、毛玉の大きな固まりが食道にひっかかっていたなんてこともありますから、こうなるとかわいそうではすまなくなってしまいます。
犬の場合も猫ほどではありませんが、自分の被毛を飲み込みます。
飲み込みの対策は抜け毛をブラッシングで取り除いてあげるしかありません。こまめにケアしてあげれば、部屋が抜け毛だらけなんてこともなくなりますから一石二鳥ですね。
犬や猫の毛に対してアレルギーをもっている人も多いですし、部屋にたまった抜け毛はハウスダストの温床になってしまいます。ハウスダストは人にも愛犬・愛猫にとってもアレルゲン(アレルギーの原因物質)となりますから気をつけたいですね。
飲み込んでしまった毛玉や抜け毛は、便といっしょに排泄してしまうのが一番です。便通をスムーズにするために食物繊維をしっかり取るようにしましょう。 |
 |
| 換毛期のない犬もいるの? |
 |
 |
 |
| プードルに代表されるように、人と同じように被毛の休止期がない、つまり被毛がどんどん伸びる犬種もあります。このような犬種はアンダーコートがなく、換毛期もありません。抜け毛の悩みは少ないのですが、被毛が伸び続けるのですから、トリミングが大変ですね。アンダーコートのない犬種には他にシュナウザー、ベドリントンテリアなどがいます。猫の場合、ほぼ全ての猫種にアンダーコートはありますが、短毛の猫は抜け毛の悩みも比較的少ないようです。 |
|
|
 |
監修・おはなし
小守忍(こもりしのぶ) 先生 |
| 日本獣医畜産大学獣医学科卒業。日本獣医畜産大学勤務の後、現在は岩手大学獣医学科小動物外科で学生の指導、臨床で活躍中。研究テーマは犬の耳道疾患の治療および予防、皮膚の修復再生機構。 |
 |
 |
 |
[an error occurred while processing this directive]
|