犬のがんのおはなし

がんとは

人と同じように、犬も高齢化が進むにつれ、がんが増えてきます。がんは、体内で異常な細胞が無制限に増殖することによって、体から栄養を奪うとともに、さまざまな臓器や組織を侵し、痛みや深刻な問題を引き起こします。
がんは複雑な性質をもつため、さまざまな症状が引き起こされます。

 

がんの要因

年齢

10歳以上の犬の半数近くが、がんにかかる可能性があります。

品種

ある種の腫瘍は特定の品種に多くみられる傾向があります。

  • 皮膚の腫瘍:ボクサー
  • 脾臓の腫瘍:ジャーマン・シェパード・ドッグ
  • 骨の腫瘍 :大型犬

性別

ある種のがんは性ホルモンの影響で進行することがあります。去勢や避妊を早期に行うことによって、このタイプのがんの発生率を減少させることができます。

環境

殺虫剤や除草剤などの化学物質は、がんの発生率を高めることがあります。

がん細胞に、ではなく犬に栄養を

通常の食事には炭水化物が多く含まれますが、炭水化物はがん細胞にとって利用しやすいため、エネルギーとして利用されてしまいます。
一方で、がん細胞は脂肪をうまく利用できません。そのため、炭水化物を少なくしてがん細胞のエネルギー源を減らし、脂肪を多く含む食事で犬のエネルギー源を確保することが、体の衰弱を抑えることに役立ちます。

がん細胞が好む栄養

がん細胞が好む栄養

がん細胞が食べられない栄養

がん細胞が食べられない栄養

 

がんになったら…

がんになると、がんそのものに体が侵されることに加え、がんに栄養を奪われてしまうため、十分に食事をとっていても全体に栄養が行き渡らなくなります。
また、がん細胞がつくりだす老廃物により、代謝異常、食欲不振が引き起こされ筋肉の消耗、体重減少、衰弱、寝てばかりいる、などの症状が出ます。

 

がんの影響

こんな症状が出たら要注意

日ごろからペットの行動をチェックして、以下のような症状がみつかったら、早めに動物病院にご相談ください。

  • 突然皮膚にしこりや硬い部分ができて、時間が経つにつれ大きくなっていくようだ
  • 痛がっているようだ
  • 体重が減っている
  • 食欲が異常に増えたり、逆に減ったりする
  • 口、耳、肛門などから出血したり、膿が出たりする
  • 犬の体から嫌なにおいがする
  • 食事を食べたり、呼吸をするのがつらそうだ
  • 元気や体力がなくなったようだ
  • 発情が長い間続いている
  • 排尿・排便がつらそうだ

ホームケア

  • 日ごろから新しいしこりやこぶがないか、その大きさに変化がないかなどを注意深くチェックしましょう
  • 愛犬の体重や活動、健康状態をよく観察しましょう
  • 獣医師の指示したフードのみを与えましょう
  • 食欲が落ちている場合には、食事は少しずつ、回数を多くして与え、1日の食事量が適量となるように工夫しましょう
  • 化学療法を受けている愛犬では特有な副作用が出ることがあります。何か変化がみられたらすぐに獣医師に相談しましょう

食事管理のポイント

蛋白質、脂肪を多く含むフードを与えましょう
犬の体を衰弱させないように、蛋白質を増やし、がん細胞がエネルギーとして利用しにくい脂肪を増やして十分なエネルギーを体に補給します。
炭水化物を制限したフードを与えましょう
がん細胞は増殖のために炭水化物を利用します。そのため、炭水化物を減らして、がん細胞の成長を抑えます。
オメガ-3脂肪酸、アルギニンを多く含むフードを与えましょう
オメガ-3脂肪酸とアルギニンを多く含む食事は免疫を維持するのに役立ちます。
 

給与に際しては、必ず獣医師の指示に従ってください。