犬と猫の腎臓病のおはなし

腎臓病とは

血液中の老廃物をろ過・除去して尿をつくり、体内の水分調節をするという腎臓の機能に障害が起き、血液中の老廃物が蓄積されることにより発症します。腎臓病は高齢ペットに多く見られ、一度障害を受けた腎臓の組織を元通りに回復させることはできません。早期発見による最適な食事管理と治療により病気の進行を遅らせ、ペットをより長くより良く生活させることが可能です。

 

腎臓病の原因

腎臓病は原因となる部位によって次のように分けられます。

腎前性

脱水や貧血、心不全、内分泌障害、フィラリア症などにより、腎臓以外にトラブルが起こり、腎臓へ流れる血液量が変化することで引き起こされます。

腎性

腎臓そのものが障害を受けるケースで、薬物中毒、寄生虫、感染症、腫瘍、外傷、先天的な異常などが原因となります。

腎後性

尿路系が障害を受けて起こるケースで、尿石症で尿道がつまったり、膀胱の腫瘍など、排尿が妨げられることが原因となります。

慢性腎不全の犬における食事の影響

慢性腎不全の臨床症状をもつ犬38頭に蛋白質やナトリウム、リンを抑え腎臓への負担を軽くしたプリスクリプション・ダイエット〈犬用〉k/dまたは一般成犬用フードを与え、2年間比較したところ、〈犬用〉k/dは慢性腎不全による尿毒症の発現を遅らせ、死亡率を低下し、生存期間を延長することが実証されました。

慢性腎不全症例の生存率

腎臓病のしくみ

蛋白質が分解されると老廃物が血液中に生成され、腎臓を通って尿中に排泄されます。腎臓が十分に機能しないと、老廃物の排泄が不十分になり、血液中に老廃物が残ってしまいます。
適切な食事管理を行い、蛋白質の量を減らすことによって、腎臓がろ過しなければならない老廃物の量が少なくなり、腎臓の負担を軽減でき、最終的には血液中に老廃物が蓄積するのを防ぎます。

腎臓の働き

こんな症状が出たら要注意

日ごろからペットの行動をチェックして、以下のような症状がみつかったら、早めに動物病院にご相談ください。

  • 食欲が落ちてきた
  • 元気がない
  • 頻繁に排尿している
  • 水をよく飲む
  • 嘔吐していることが多い
  • 毛づやが悪くなった

ホームケア

  • 獣医師の指示した食事以外は与えないようにしましょう
  • 食欲が落ちている時は、フードを温めたり、手で与えたりしてカロリー補給を確実にしましょう
  • 新鮮できれいな水を与えましょう
  • ペットの体重、行動、喉の渇き、身体の状態をチェックしましょう。少しでも変化がある時は、すぐに獣医師に相談しましょう

食事管理のポイント

蛋白質を抑えたフードを与えましょう
窒素性老廃物の量を減らすことができ、腎臓への負担を軽くします。
ナトリウムやリンを抑えたフードを与えましょう
リンを抑えることにより腎臓病の悪化を遅らせるのに役立ちます。
また、ナトリウムを抑えることで血圧の管理を助けます。
食物繊維を多く含むフードを与えましょう
窒素を栄養源としている腸内細菌を増やし、アンモニアの発生を抑えるので、血液中の有害物質が低減し、その結果腎臓の負担を軽くします。
オメガ-3脂肪酸を多く含むフードを与えましょう
炎症に配慮して配合されたオメガ-3脂肪酸は、腎臓の損傷の進行を遅らせるのに役立ちます。
 

給与に際しては、必ず獣医師の指示に従ってください。